研究課題/領域番号 |
08F08001
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
加藤 幹郎 京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 教授
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研究分担者 |
GAN Sheuo Hui 京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 外国人特別研究員
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キーワード | アニメ / アニメーション / リミテッド・アニメーション / セレクティブ・アニメーション / 日本アニメーション |
研究概要 |
この研究はアニメーションからアニメへの歴史変遷を綿密に分析するものである。平成21年4月末までは(1)アニメーション関係者と創作者に「アニメ」と「アニメーション」という言葉の使い方、意味などについての聴き取り調査を行った。インタビューの対象は東京杉並アニメーションミュージャム館長の鈴木伸一、自主アニメーションの代表作家山村浩二と商業アニメーションで注目を集めた監督湯浅政明等である。そして、関西圏を中心に大学と専門学校でアニメーション文化論や制作を教えている研究者など(杉井ギサブロ、渡辺泰、大橋雅央)との会談も行った。(2)平成20年の6月にメイン・メンバーの一人として関西アニメーション研究部会合同研究会を立ち上げ、月一回のペースで関西在中のアニメーション研究者を中心に勉強会を開き、若手のアニメーション研究者たちを議論すると情報交換の貴重な機会を設けた。そして(3)東京ファイルムセンター、京都マンガミュージャムなどに収蔵されている資料を集めて、(1)と(2)で得られた研究内容をもとに今年の5月に東京城西国際大学で開催する、米国の最大規模の映画学会SCMS(Society For Cinema and Media Studies Conference)の50周年大会で、"Expressions of Animation:Reconsidering the Dualistic Framework"という題目で口頭発表することとなった。続いて、今年の7月9日にアトランタに開催するSociety for Animation Studiesの第21回の国際会議(The Persistence of Animation)でも報告する予定だ。また、マレーシアのUniversiti Sains Malaysiaが2010に出版する予定のMedia and Popular Culture in Asia Commercialisation and Contestationの第三部分のAsian Film and Globalisationで、日本のアニメとアニメーションについて執筆する予定となっている。そのため積極的に英語で論文を書き、国際会議で発表する本研究は、日本アニメーションに関する英文の学術資料、研究論文は極めて少ない状況において重要な役割を務めている。さらに今後も、日本と海外のアニメーション研究者の情報交換・調査・研究活動のネットワークを積極的に推進する予定である。
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