| 研究概要 |
この研究はアニメーションからアニメへの歴史変遷を綿密に分析するものである。平成22年3月末までは、集中的に現代日本のアニメ/アニメーション界の代表的作家を論じた研究書(英文)を書いていた。本書はアニメ/アニメーション作品のテクスト分析と各作家へのインタビューを組み合わせることによって、彼らの特異な映像的・音響的スタイルを同定し、現代日本のアニメ/アニメーションの多様性を理論的・歴史的に解明するという、アニメーション研究の新たな地平を切り開くことが期待される研究書です。出版社は未定。
学振採用期間中、特に平成21年後半から海外の研究者との積極的な学術交流を行い、以下のような注目すべき成果を挙げました。第一に、英国ラフバラ大学芸術学部のポール・ウェルズ教授から、同教授主幹の出版企画Blackwell's Companion to Animation(本書は学術的に権威ある英国の出版社ブラックウェルパブリシングから2011年秋に刊行予定)への論文執筆を依頼されました。
また2010年9月にケルンの日本文化会館で開催予定の学術会議Intercultural Crossovers, Transcultural Flows : Manga/Comics(京都国際マンガミュージアムと日本国際交流基金主催)にも論文を寄稿することになりました。さらに、この論文の準備過程においては上述の国際会議の委員を務めるジャクリーヌ・ベルント教授との親密な学術交流を果たし、その結果2010年6月から同教授の勤務校である京都精華大学に客員研究員として勤務することが決定しました。
このほかにもオクラホマ大学のジジ・フー教授編纂のTeaching and Researching Japanese Animation : Asia Perspective(ミシシッピ大学出版局から刊行予定)に論文一篇と翻訳数篇の寄稿を依頼されるなど、積極的に学術上の国際交流を推進している。
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