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光学活性β-アミノアルコール類は天然物のユニットに多く見られるのみならず、PyBoxやBoxと言った数多くの不斉触媒の原料として広く用いられている化合物群であるが、それ自身の合成法は限られたものであり、より効率的な供給手法の開発が望まれている。本研究課題は、求電子剤としてニトロソ化合物を用い、光学活性アミノアルコール誘導体を高選択的に合成する手法の開発である。本開発を行うにあたり、その重要な課題として本反応に適用可能な光学活性触媒の開発が挙げられる。特に有用な手法の開発に当たっては環境調和型の触媒系が望ましい。アルカリ土類金属は地球上に豊富に存在するユビキタス元素であり、またその金属としての有害性も低いため、有機合成反応における積極的利用が期待されている。そこで、まずアルカリ土類金属を活用する不斉触媒系の構築について検討を行った。モデル反応としてイミンとマロン酸エステルとのMannich反応を選択して種々検討を行ったところ、カルシウムを中心金属として用い、不斉配位子として中性配位型である光学活性Pyboxを用いて検討を行った時に、反応が良好な選択性を持って進行することを見いだした。このような中性配位型不斉配位子を用いるアルカリ土類金属の不斉修飾はこれまでにほとんど例が無く、本結果はアルカリ土類金属を活用する不斉触媒開発において重要な知見を与えるものである。
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