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2009 年度 実績報告書

ネットワーク錯体の合成と粉末構造解析

研究課題

研究課題/領域番号 08F08355
研究機関東京大学

研究代表者

藤田 誠  東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授

研究分担者 MARTI-RUJAS Javier  東京大学, 大学院・工学系研究科, 外国人特別研究員
キーワード細孔性ネットワーク錯体 / アモルファス相 / 相転移 / 非経験的粉末X線構造解析 / 準安定 / 速度論支配 / 熱力学支配 / 固相反応
研究概要

近年のX線解析装置の技術向上ならびにSpring-8に代表されるような放射光施設の導入により、X線解析は化学における構造決定の中心的役割を担うようになってきた。特に単結晶構造解析は日増しにその精度を増しており、微少な結晶1粒からでも多くのデータが得られるまでになった。この技術をさらに応用し、他の構造解析手法と組み合わせることで分子構造決定のさらなる飛躍が見込まれている。本研究において、(1)粉末X線解析と分子軌道計算の技術を応用して、これまでに3次元の構造決定が困難であった結晶性粉末の構造決定、(2)細孔性単結晶ネットワーク錯体内で、非晶質分子の構造決定を行った。
これまで、単結晶性の無い錯体は、粉末X線散乱にパターンから間接的な証拠しか得られていなかったが、実測の反射データと分子計算の手法と組み合わせることで、粉末結晶の構造解析に成功した。金属と配位子の溶液を瞬間的に混合すると、結晶性粉末が得られるが、この結晶は速度論的支配を受け、一般に穏やかな条件で結晶化する方法で得られる単結晶とは異なる構造が得られる。しかし、粉体であるがゆえに単結晶構造解析は困難であった。そこで、分子計算により各コンポーネントを最適化することにより、その速度論的支配構造を決定することに成功した。また、この結晶粉体が昇温に伴い熱的安定コンフォメーションへの動的変化を追跡することにも成功した。
さらに、希少な油状天然化合物の構造決定手段を開拓することにも成功した。単結晶性細孔錯体に微量のサンプルを流し込むことで、再結晶のプロセスを経ることなく必要最小限のサンプル量で構造を決定することに成功した。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Formation of a Thermally Stable, Porous Coordination Network via a Crystalline-to-Amorphous-to-Crystalline Phase Transition2009

    • 著者名/発表者名
      Kazuaki Ohara, Javier Marti-Rujas, Tsuyvshi Haneda, Masaki Kawano, Daisuke Hashizume, Fujio Izumi, Makoto Fujita
    • 雑誌名

      Journal of the American Chemical Society 131

      ページ: 3860-3861

    • 査読あり

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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