研究課題
介護や教育の現場にロボットを導入するとき、感情インターフェイスを搭載したコミュニケーションロボットが単なる堅い・冷たい・違和感などの印象ではなく、ユーザーに親しみを感じさせることができ、ゆとりや安らぎを与えることができる。それによりおのずと治療・教育効果にも差が生じてくる。本研究の目的は、脳内の活性部位から得られる神経信号と顔表情とを複合的に分析することにより、個人の内部状態や心的過程を精度よく予測する感情インターフェイスを開発することである。すなわち、脳の内部をブラックボックスとして刺激に対する顔表情から内部状態や心的過程を同定するバイオミメティック的研究を中心に脳の計測を組み合わせ信頼性の向上を図る。本年度は、「癒し」をテーマに顔表情の分析を中心に検討を行った。画像の顔表情から得られる説明変量を入力とし被験者の外的基準を出力として被験者の癒される構造のメンバーシップ関数をファジイ推論第II類で求める手法の開発を行った.得られる固有値方程式で扱うマトリクスは半正定値で重複固有値を有すなど質が悪くQZ法などの利用では妥当な結果が得られなかった.Moore-Penrose逆変換を用いて一般化固有値問題を標準化固有値問題に変換することによって扱うマトリクスの条件数は大幅に小さくなりホログラフィックニューラルネットワーク(HNN)相当の意味ある結果が得られることを示した.外的基準が不明瞭すなわち少し癒されると評価する理由は,説明変量によっては負に作用することもあることから説明が可能なことを示した.これはファジー推論第II類でのみ可能であり,HNNでは得られない。かくして、HNNとファジー推論第II類の組み合わせにより、各人の内部状態や心的過程の予測精度向上が得られる可能性を示した。
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IEEE/ACM Transactions on Computational Biology and Bioinformatics (in press)
Journal of Computational Science and Technology, Vol. 2, No. 4 (2008), pp. 401-412 2
ページ: 401-412
Journal of Computational Science and Technology, Vol. 2, No. 4 (2008), pp. 413-422 2
ページ: 413-422