東京理科大学において過去20年間に亘って行ってきた様々セメンテイションがある堆積軟岩等の自然地盤材料と締固めたセメント混合礫質土等のセメンテイションがある人工軟岩材料の室内せん断試験の成果、および本研究で行った人工軟岩材料の系統的な三軸圧縮試験の結果を総括し、一つの供試体を用いて異なる拘束圧における変形・強度特性を測定する多段階三軸圧縮試験の結果から、多数の供試体を用いて異なる拘束圧で行う三軸圧縮試験でのピーク強度、ピーク前の応力・ひずみ関係、クリープ変形特性を推定する方法を研究し、体系化した。多段階三軸圧縮試験は、堆積軟岩等の自然地盤とセメント混合地盤は非常に非一様であり、複数の供試体を用いた試験の結果から、Mohr-Coulombの破壊基準とクリープ変形特性を含む非線形応力~ひずみ関係の拘束圧依存性を正確に評価することが困難なため研究されてきた試験法である。上記の定式化では、応力・ひずみ関係に及ぼす拘束圧の影響、繰返し載荷が継続ことによる硬化現象、除荷時に生じる構造の損傷、降伏に伴うひずみ硬化現象、繰返し載荷時の履歴特性(Masing則を一般化したProportional rule)、および変形・強度特性に影響を及ぼす年代効果と粘性による速度効果の二つの異なる時間効果を考慮した。
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