研究概要 |
【研究の目的】 カメルーンは中央アフリカに位置に生命活動が非常に活発な地域であり、カメルーンは多くの部族が集まり、生活をしている。そのため、各部族により、古くから言い伝えられ、用いられてきた薬用植物群は、その部族間で異なっている。そこで、これまでに用いられることが少なかったカメルーン産薬用植物に含まれる化学成分と生理活性作用を明らかにする。 【平成21年度の研究結果】 1.カメルーン産伝承薬用植物(Dorstenia属)のメタノール抽出物を各種溶媒分画し、続いて、各種カラムクロマトグラフィーにより精製した。精製に関しては、抗菌活性やTLC上でのスポットの発色を指標として、単離を進めた。その結果、化合物1を得ることができた。化合物1は^1H-,^<13>C-NMRスペクトルより、セラミド類であることが示唆された。そこで、それらの構造の詳細な構造に関する知見を得るために、二次元NMR実験を行い、化合物1の平面構造を明らかにした。文献検索の結果、1は新規なセラミド類てあることが明らかになった。現在、糖残基の絶対立体配置および脂肪酸領域に結合している水酸基の立体配置について、明らかにしている。 2.カメルーン産伝承薬用植物(Dorstenia convexa (Moraceae))に関しても、同様の手法により、二種の化合物(2,3)を得ることができた。これらの物質について、NMRによる構造解析を行ったところ、2と3は、既知のクマリン類と7種のトリテルペン類であった。しかし、これらの物質の単離は、本植物からは初めてであった。
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