研究概要 |
【目的】 カメルーンは中央アフリカに位置に生命活動が非常に活発な地域であり、未だ、多くの薬用植物の成分が明らかになっていない。そこで、今年度は、カメルーン産薬用植物に寄生する植物内生菌菌類より、生理活性物質を探索した。 【平成22年度の研究結果】カメルーンの森林地域で、採取した薬用植物サンプルより分離した植物内生菌類の培養物のメタノール抽出物について、抗菌活性や細胞毒性試験を用いて、スクリーニングを行いカッコウアザミ(Ageratum conyzoides L.)の樹皮より分離された糸状菌Fusarium equieti SF-3-17を選択した。次にSF-3-17株の培養物をカラムクロマトグラフィーにより精査し、2種の物質(1,2)を単離することができた。それぞれのNMRを中心とした構造解析の結果、既知のネオフサピロンの新規誘導体であることが判明した。詳細に構造を解析したところ、両物質は、分子内にマグネシウムを含有し、二分子のネオフサピロンがピロン環を介して、マグネシウムに配位した非常にユニークな構造をしていることが判明した。次に抗菌試験を行ったところ、物質(1,2)は、モノマーのネオフサピロンと同程度で活性を示し、さらに、植物に対する根の伸長阻害活性試験おいては、既知のネオフサピロンと比較し、強い阻害活性を示すことがわかった。
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