研究課題/領域番号 |
08F08467
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
遠藤 啓吾 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 教授
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研究分担者 |
PAUDYAL Bishnuhari 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 外国人特別研究員
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キーワード | ^<64>Cu / 大腸癌 / PET / VEGF / ベバシツマブ |
研究概要 |
研究の目的:本研究の目的は^<64>Cu標識ベバシツマブ抗体により非浸襲的に大腸癌のVascula rendothelial growth factor(VEGF)をイメージングすることである。 背景:血管内皮細胞増殖因子(VEGF)は血管生において重要な役割を果たしている。血管新生はがんの形成や成長に必須であり、1-2mmを越えて腫瘍が育つためには栄養や酸素を供給する血管が必要である。VEGFに対するヒト化モノクローナル抗体であるベバシツマブ(アバスチン^【○!R】と抗癌剤の併用による治療が開発され、VEGFによる腫瘍の血管新生を阻害することに成功した。本研究の目的は^<64>Cu標識ベバシツマブにより非浸襲的に大腸癌のVEGFをイメージングすることである。 [研究方法] ベバシツマブをキレート剤「DOTA」を介してポジトロン放出核種である^<64>Cuで標識し、大腸癌細胞株HT-29移植マウスに尾静脈より投与した。投与直後、投与24時間、48時間後に小動物用PET装置にて撮像を行った。マウスはPET撮像の後、解剖しガンマカウンターにて放射能を測定した。腫瘍はCD31およびVEGF-Aの免疫組織染色を行った。 結果:PET撮像において投与24時間後には^<64>Cu-DOTA-ベバシツマブの集積を示したEx vivoで定量解析を行ったところ24時間後では18.00±1.04%injected dose/gという高い集積を示し、腫瘍血液比は2.15±0.74であった。マウスのデータから算出した放射線の線量は肝臓が2.35mGy/MBqと最も高く、続いて脾臓の1.20mGy/MBqであった。免疫組織染においてVEGF-AおよびCD31の局発現が明らかとなり、このことにより^<64>Cu-DOTA-ベバシツマブの腫瘍集積が増加したと考えられる。 結語:本研究では大腸癌モデルマウスにおける^<64>Cu-DOTA-ベバシツマブの定性的および定量的解析を行ない、^<64>Cu-DOTA-ベバシツマブが非浸襲的なVEGF発現のイメージングおよびベバシツマブによる治療のモニタリングに用いるPETトレーサーとして有用である可能性が示された。
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