研究課題/領域番号 |
08F08620
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研究機関 | 独立行政法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
清水 弘樹 独立行政法人産業技術総合研究所, ゲノムファクトリー研究部門, 主任研究員
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研究分担者 |
GAONKAR Santosh L. 独立行政法人産業技術総合研究所, ゲノムファクトリー研究部門, 外国人特別研究員
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キーワード | マイクロ波 / 創薬 / 糖鎖 / ヘテロサイクル / ロシグリタゾン / ライブラリ / オキサゾリジン骨格 |
研究概要 |
本研究では、糖鎖の持つ「水溶性」、「保湿性」、また薬品等の「体内吸収力の向上」や「患部への選択的輸送」といった機能に着目し、生理活性物質に糖鎖を修飾させて物質が本来有する機能の他に新たな機能を修飾させる基盤研究を進め、この方針にて薬効を有するが溶解性や毒性のために新薬とならなかった新薬候補化合物の再度の新薬化検討、あるいはすでに薬効が知られている化合物のより高活性誘導化という、新しい糖鎖化合物の利用法による新しい創薬開発戦略への展開を目指している。 今年度はまず、糖尿病薬として実際にGlaxoSmithKlineからAvandiaという製品名で市販されているヘテロサイクル化合物、Rosiglitazone合成について、全5行程のうち4行程でマイクロ波を利用した収率向上、反応の短時間化、副産物低減によるカラム精製の回避、また危険試薬の回避などに成功し、プロセス合成向きの改良合成手法の確立に成功した。 この結果を受けて、次に生理活性物質であるヘテロサイクル化合物ライブラリの合成研究に着手した。まず、抗菌活性など様々な薬理活性が知られているオキサゾリジン化合物ライブラリの調製研究に着手し、30種類以上の化合物ライブラリの調製に成功した。本結果については現在、学術雑誌に投稿すべく準備中である。さらに、グルコース、グルコサミンなどの糖の導入反応について検討し、現在、糖含有ヘテロサイクルライブラリの調製をすすめている。まだ総じた結果を得てはいないが、概して当初の狙い通りに化合物の水溶性が向上しており、これらの生理活性結果が楽しみである。
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