研究概要 |
SrTiO_3(STOと略称)系熱電変換材料のエネルギー変換効率をさらに上げるため、組成・構造・組織が制御されたナノセラミックスおよびナノコンポジットの構築を行い、熱電変換性能を詳細に検討した。 平均粒径30nmのSTO粉末を用いてSPS法で粒成長を抑えて焼結することにより、平均粒径55~80nmのナノ粒子緻密セラミックスを作製した。これの熱拡散率、比熱容量、音速等を測定して、STOセラミックスの熱伝導率が粒径の減少とともに大きく低減できること、その主な原因はナノ粒界のKapitza熱抵抗の寄与によること、さらに粒径10nm以下で理論的に予測される最低格子熱伝導率がほぼ達成可能であることを見出した。 Nb-STOマトリックスに低熱伝導性のYSZ(イットリア安定化ジルコニア)ナノ粒子を分散させて高ZT化を試みた。その結果、YSZ粒子はSTOと反応することなくSTO粒界に沿って薄い層を形成し、これが熱伝導率を低下させるとともにSTOの粒成長を促進してキャリア移動度を上げることにより、全体としてZTの向上が達成できた。さらに、低熱伝導性のメゾポーラスシリカをNb-STOに混合して作製したコンポジットにおいても同様な効果で低熱伝導化が可能なことを見出し、粒界制御が性能向上に大きな寄与をすることを明らかにした。 粒子が半導性La-STO,粒界がNb-STOの2次元電子ガス(2DEG)層からなる3D超格子セラミックスが、室温で1.0を超えるZTを示し得ることをシミュレーションにより示した。これを実現するプロセス開発の第1段階として、今年度はナノキューブの合成に挑戦した。種々検討の結果、水熱反応法により、平均7~10nmのSTOナノキューブの合成に成功した。
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