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2009 年度 実績報告書

テイラー渦流などの流体技術を用いた化学反応プロセスのプロセス強化

研究課題

研究課題/領域番号 08F08732
研究機関神戸大学

研究代表者

大村 直人  神戸大学, 工学研究科, 教授

研究分担者 HUBACZ Robert Jan  神戸大学, 工学研究科, 外国人特別研究員
キーワードテイラー渦流 / プロセス強化 / 酵素反応 / 数値シミュレーション / 混合特性
研究概要

本研究では、共軸回転二重円筒間に生じるテイラー渦流を用いて、化学反応プロセスの"プロセス強化"を行うことを目的としている。モデル反応として、生体高分子の酵素加水分解反応を取り上げる。この反応系は原料の仕込み濃度が高いため、みかけ粘度が高く、通常の撹拌装置を用いた反応プロセスではもっとも取り扱いにくいものの一つである。この反応プロセスでは、局所混合が良く、さらに押し出し性の高い混合特性と、高い伝熱、物質移動特性を有する反応器が求められる。我々はテイラー渦流の輸送現象特性がこの反応プロセスの要求性能に非常に適合すると考え、生体高分子の酵素加水分解反応プロセス用のテイラー渦流装置を提案し、混合・伝熱・物質移動などの輸送現象特性を明らかにするとともに、実際に反応を行いその性能を検証することを目的とする。
平成21年度は以下のことを行った。
1)テイラー渦流反応装置によりでんぷんのゲル化を行い、ゲル化に対する内円筒の回転速度および、ジャケット温度の影響を調べた。その結果、回転数がある臨界速度以上であれば、効率良くゲル化が行えること、高温でゲル化を行うほど糊化が促進されることを明らかにした。
2)昨年度開発した数値シミュレーションにより、ゲル化の初期の段階で形成されたテイラー渦流の対流運動により伝熱が促進され、効率的にゲル化が進むことがわかった。
3)テイラー渦流反応装置によりゲル化と酵素を用いた加水分解反応による糖化を試みたところ、少量の酵素を連続注入することで高効率に糖化を行えることがわかった。また、糖化に対する内円筒の回転速度および、ジャケット温度の影響は、ゲル化の場合と同様であった。
4)以上より、この反応装置を用いて連続化することにより、デンプンのゲル化と酵素による加水分解の2段プロセスを、同じ装置で、1段で行え、さらに少ない酵素量でも効率よく糖化できることがわかった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2010 2009

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] テイラー渦流反応装置によるデンプンの加水分解反応2010

    • 著者名/発表者名
      吉田皓志, 松家慎一郎, R.J.Hubacz, 堀江孝史, 熊谷宜久, 大村直人
    • 学会等名
      第12回化学工学会学生発表会(福岡大会)
    • 発表場所
      九州大学(福岡県)
    • 年月日
      2010-03-06
  • [学会発表] Starch Hydrolysis in the Couette-Taylor Flow Reactor2009

    • 著者名/発表者名
      R.J.Hubacz, 大村直人, 熊谷宜久
    • 学会等名
      化学工学会第41回秋季大会
    • 発表場所
      広島大学(広島県)
    • 年月日
      2009-09-16

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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