今年度は以下の3つの点から研究を進めた。 1.1869年から2010年にかけての主な戸籍法の翻訳と、戸籍法の歴史、発展、構造についての考察。 2.戸籍に関する意識についての質的調査。2009年7月から2010年1月にかけて質問票による調査を行い、分析中である。40都道府県にわたる在住者から250件を超える回答をえた。 3.日本と韓国の世帯登録に関する比較研究のデータ収集のため韓国での実地調査を行った(2010年2月28日-3月5日)。 また、二宮教授と共同でデンマークの住民登録制度に関する論文を日本の雑誌に執筆し出版された。 2009年9月にはオックスフォードで開催された国際会議で発表を行い、成果は以下の2点であった。 A)今年度に行った戸籍に関する意識調査の結果を踏まえた論文を発表し、2011年に出版予定の書籍のための準備を行った。B)住民登録制度に関する比較研究についてのワークショップに参加し、日本と韓国の世帯登録法制度に関する論文発表を行った。 韓国への出張では韓国の世帯登録制度に関連する書籍や論文、法制度に関する資料の収集を行った。また、ソウル大学校の法学者とKorean Women's development Instituteの研究者、Korean Legal Aid Centerのカウンセラーと研究交流を行い、韓国において日本で行ったのと同様の調査を行うための準備を進めた。 最後に3月下旬から4月初旬にかけてアメリカ出張を行い、以下の成果を得た。 A)Association of Asian Studies Conferenceに参加し、戸籍に関する研究発表を行った。B)ペンシルバニアのラファイエット大学にて特別講義を行った。C)ワシントンDCの国立資料館にてGHQ関連の戦後の世帯登録、法制度改革についての資料の収集を行った。
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