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2008 年度 実績報告書

ウェーブリップルの変化過程の解明:形態と水理・粒度条件の相互作用

研究課題

研究課題/領域番号 08J00542
研究機関京都大学

研究代表者

山口 直文  京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)

キーワードウェーブリップル / 海浜地形 / 堆積物輸送 / ベッドフォーム / 波浪堆積構造
研究概要

ウェーブリップルの時系列変化の一つであるリップルの移動と,水理・粒度条件との関係について特に注目し,造波水槽実験を行った.実験によって明らかになった成果は次の二つである:1,流速の"空白"がリップルの移動に与える影響.2,堆積物粒子の沈降ポテンシャルがリップルの移動と形態に与える影響.これらは共に,振動流が一方向流とは異なり流速の小さい時があり,その時間に堆積物粒子が沈降することに着目した研究である.
1の研究では,特に台風が接近した沿岸域において,静穏時の比較的小さな波とうねりによる大きな波が共存するような波浪条件で,波浪の作用のみでも沖向きへの堆積物輸送が起こる可能性を示唆された.このような波浪による沖方向への堆積物輸送の可能性は,この研究によって初めて示唆された現象である.
2の研究では,粒径や周期が主に支配する堆積物沈降ポテンシャルが,振動流下でのリップル形態や堆積物輸送において無視できないことが定量的に明らかになった.堆積物粒子の沈降ポテンシャルが大きいほど,リップルの形態は丸くなった.また,沈降ポテンシャルが大きいほど,既存の掃流砂輸送モデルから推算される堆積物輸送量より,リップルの移動に伴って輸送された堆積物量の方が多くなった.これらは,沈降ポテンシャルが大きいほど,流速の向きの反転時に堆積物粒子が岸側斜面-頂部に局地的に沈降し堆積することによることが,高速ビデオカメラを用いた観察により明らかになった.このような堆積物粒子の沈降ポテンシャルを定量的に評価できたのは,この研究で初めて導入された無次元沈降パラメータを用いたことによるものである.
これらの研究成果は,国内外の学会において発表を行った.1の研究成果については,国際学術誌に現在投稿中である.また,2の研究成果についても,現在投稿準備中である.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2008

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Ripple patterns generated by laboratory oscillatory flow with intervening hiatuses : implications for sediment dynamics near wave base2008

    • 著者名/発表者名
      Naofumi Yamaguchi, Hideo Sekiguchi
    • 学会等名
      33rd International Geological Congress
    • 発表場所
      Oslo, Norway
    • 年月日
      2008-08-12

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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