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2009 年度 実績報告書

微小相互作用測定のための精密冷中性子干渉光学系の開発

研究課題

研究課題/領域番号 08J00712
研究機関京都大学

研究代表者

關 義親  京都大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC2)

キーワード中性子干渉 / 中性子光学 / 多層膜ミラー / エタロン
研究概要

昨年度行った振動測定の結果を検討し,日本原子力研究開発機構改3号炉の単色冷中性子ビームラインMINE2に除振装置を設置した.この結果,干渉計のミラーの振動を設置前の振動振幅の約1/100まで抑えることができた.また,振動対策に加えてビームラインの温度・磁場測定をおこない,その擾乱が干渉計に与える効果を評価した.振動対策を施したMINE2ビームラインで,スペース長200mmのビームスプリッティングエタロン2個1組を用いてJamin型の多層膜冷中性子干渉計を構築した.カドミウムの板をビームストッパとしてエタロン間のビームプロファイルをスキャンしたところ,その強度変化の微分から,干渉計の2経路が中心間距離328±9mmで完全に分離していることが確認できた.さらに,スピンフリッパの振動磁場の位相を位相シフタとしてコントラスト約67%の干渉縞を観測することに成功した.これによって,従来の多層膜干渉計では不可能だった片方の経路のみの装置を挿入するような実験が可能になる.2経路を完全分離する干渉計のデモンストレーションとして片方の経路のみに厚さ0.6mmシリコンの板を位相物体として挿入し,干渉縞のエンベロープの移動を確認した.これによって多層膜中性子干渉計で磁気相互作用以外による位相制御をはじめて実証した.このほかに,異なる格子定数をもつ多層膜を組み合わせたミラーから幅広い波長の中性子に適用できる新たな干渉計を開発した.干渉計の性能評価をMINE2ビームラインで行い,単色ビームに対して幅広いビーム入射角で機能することを実証した.このミラーをスペース長200mmのエタロンと組合せることによって,Aharonov-Casher効果のJ-PARCでの高統計測定が実現可能になる.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2009

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 大型多層膜中性子干渉計による基礎物理 -2経路の完全分離-2009

    • 著者名/発表者名
      關義親
    • 学会等名
      第2回C1-3連携重点課題研究会
    • 発表場所
      東京大学物性研究所中性子科学研究施設
    • 年月日
      2009-07-15

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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