研究概要 |
答えが決まっていない事態における行動選択過程を明らかにするため,fMRI(functional magnetic resonance imaging)を用いた実験を実施した。実験研では,答えが決まっていない事態における行動選択(職業選択課題:どちらの職業に就きますか?「高校教師大工」)と,答えが決められている語長判断(どちらの単語が長いですか?「歯医者大学教員」)を行っている際の実験参加者の脳活動を記録した。また,それぞれの課題について,単語の組み合わせにより,迷いの程度を操作した。その結果,答えが決められていない事態では特に脳の内側前頭前皮質が活動していること,また職業選択時の迷いが大きいほど前部帯状回が強く活性化することが明らかとなった。また,脳部位間の関係について解析することができるPPI(Psycho-Physiological Analysis)を実施した結果,職業選択課題実施時には内側前頭前皮質の活動と前部帯状回の活動とが同期していることが示され,脳部位間の機能的関連が明ら研かとなった。 また本年度は,答えが決まっていない事態における行動選択過程についての仮読である行動選択基準仮説についての英文レビュー論文を作成し投稿した。この論文では,以前の論文では扱っていなかった感情制御機能についても触れ,行動選択基準仮説の適用範囲を拡張した。 本研究課題に関連した事象関連電位を用いたデータについても論文化し,現在投稿中である。
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