研究概要 |
本年度は,昨年度までに実施した実験のデータの発表とさらなる解析,次の実験の準備と予備実験,レビュー論文の執筆を行った。実験データの発表としてはまず,学国際学会(the 49th Annual Meeting of the Society for Psychophysiological Research)において,昨年度実施したfunctional magnetic resonance imaging(fMRI)を用いた実験の結果についてポスター発表を行った。このデータについては論文を執筆し,すでに国際誌(Neuroscience Letters)に受理されている。その他,これまでに実施した本研究課題に関わるデータについて,論文の修正再投稿を行い,論文が受理・公表された。さらに本年度は,昨年度実施したfMRI実験のデータを用い,脳部位間の機能的な関係を明らかにするための解析であるPsychophysiological interaction analysisを実施した。その結果,答えが決まっていない事態における行動選択過程においては特に内側前頭前皮質と前部帯状回とに機能的な関連が存在することが明らかとなった。この結果についても英文の論文としてまとめ,現在投稿中である。また本年度は,2種類のレビュー論文の執筆を行った。一つは海外渡航先の受け入れ研究者との共同研究であり,休息時の脳活動と課題時の脳活動の関係についてのレビュー論文を執筆した。休息時に活動する脳部位としては,本研究課題においても重要な脳部位である内側前頭前皮質があげられており,休息時の脳活動につい七検討するで本研究課題にも重要な示唆が得られた。このレビュー論文については既に論文が受理されている。もう一本のレビュー論文は本研究課題に直接関わるものであり,答えが決められていない事態における行動選択とこれまでの意志決定研究との関係についてまとめたものである。これについては現在執筆中であり,近々投稿予定である。
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