平成21年2月に二週間、平成21年3月に約一か月の間、ミャンマー連邦においてフィールドワークを行い、論文中で扱う文法事項のチェックおよび、物語や自然会話などの収集と分析を行った。国内では、論文の執筆に努めた。論文の内容は、ティディム・チン語の系統と類型的特徴、言語使用状況にはじまる。その後、音韻論で音素を設定した後、形態や統語の言語学的な記述を行う。附録としては、筆者の集めた口語テキストや語彙集を準備している。その他、東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所共同研究プロジェクト「チベット=ビルマ系言語からみた文法現象の再構築2:文の特徴付けと下位分類」(代表:澤田英夫准教授)でティディム・チン語の文の特徴付けに関する発表を行った。同研究所言語ダイナミクス科学研究プロジェクトの若手共同研究支援プログラム、「少数言語の言語資料のデータベース作成とオンライン公開」(研究代表者:長崎郁)に研究協力者として参加し、他の共同研究者とともにティディム・チン語データベースのオンライン公開を準備している。また、昨年度行った調査をもとに、論集への論文投稿を行ったほか、日本言語学会や15th Himalayan Languages Symposium、Northeast Indian Linguistic Society(NEILS)5th International Conferenceでそれぞれ口頭発表も行っている。
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