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2010 年度 実績報告書

走査トンネル顕微鏡による単一分子の振動分光および電気伝導特性の評価

研究課題

研究課題/領域番号 08J00951
研究機関京都大学

研究代表者

熊谷 崇  京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)

キーワード走査トンネル顕微鏡 / 単一分子 / 振動分光 / 電気伝導
研究概要

走査トンネル顕微鏡(STM)の分子操作による単分子レベルで制御された高度なモデル構造体の形成と物性評価についてのデモンストレーションを目的として水分子を用いた水素結合系クラスターおよび水-水酸基複合体の形成、水素輸送の実空間観測などを行った。平成22年度中に行った研究成果は原著論文として米科学誌に掲載されている。具体的には単分子レベルで制御されたモデル構造体の形成と評価について金属表面上に吸着した水分子を用いてデモンストレーションを行った。モデル構造体の形成は分子の解離や分子操作を複合的に組み合わせることで行っており、これまでにない高度な系の形成に成功した。特に水-水酸基の一次元水素結合系における水素輸送の直接観測は世界でもこれまでに例を見ない成果であったと考えている。また、今年度は機能性分子を用いたナノ構造体の制御手法について実践的な知識と技術を学ぶためにマックスプランク研究所(ドイツ)への研究滞在を行った。半年の滞在期間中に機能性分子と金属原子による配位結合を用いた超分子化学的な手法によって金属表面に低次元のナノ構造体を形成することに成功した。この手法は分子の自己集合/自己組織化を利用してナノ構造体を形成するものである。そのようなボトムアップ的な物質構築手法はナノサイエンス/テクノロジーの基幹技術として重要なものであると考えている。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2011 2010 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Water clusters on Cu (110) : chain versus cyclic structures2010

    • 著者名/発表者名
      T.Kumagai, H.Okuyama, H.Hatta, T, Aruga, I, Hamada
    • 雑誌名

      Journal of Chemical Physics

      巻: 134 ページ: 024703-1-029703-6

    • 査読あり
  • [学会発表] 有機-金属フレームワークを用いた低次元構造の制御2011

    • 著者名/発表者名
      熊谷崇、Sebastian Stepanow、Christopher Kley, Jan Cechal, Klaus Kern
    • 学会等名
      日本物理学会第66回年次大会
    • 発表場所
      新潟
    • 年月日
      2011-03-28
  • [学会発表] STMによる水酸基一次元鎖の作成と水素結合の評価2010

    • 著者名/発表者名
      塩足亮隼、熊谷崇、八田振一郎、奥山弘、有賀哲也
    • 学会等名
      第30回表面科学学術講演会
    • 発表場所
      大阪
    • 年月日
      2010-11-05
  • [学会発表] 一次元水素結合における多重プロトン移動の実空間観測2010

    • 著者名/発表者名
      熊谷崇、奥山弘、八田振一郎、有賀哲也、濱田幾太郎、森川良忠、Thomas Frederiksen、上羽弘
    • 学会等名
      日本物理学会2010年秋季大会
    • 発表場所
      大阪
    • 年月日
      2010-09-24
  • [備考]

    • URL

      http://kuchem.kyoto-u.ac.jp/hyoumen/index.html

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公開日: 2012-07-19  

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