研究概要 |
グラフ構造をもった確率分布が与えられた時に,その規格化定数もしくは周辺確率分布を求める問題は,誤り訂正符号,音声認識,人工知能,最適化などに幅広く関係した,応用的にも数理的にも重要な問題である.私は,この問題の確率伝搬法による計算法について研究している.実際にこの方法はLDPC符号などでは広く実用されている.その中でも特に,グラフの幾何学的な構造と,計算の難しさの関係について着目し,研究を進めた. 昨年度は確率伝搬法,ベーテ自由エネルギーとグラフのゼータ関数が非常に密接に関係していることを発見したが,今年度はそれをさらに発展させ,拡張した.解の一意性に関して今までで最も強い結果など,新しい結果を得た.それらに関して論文にまとめて投稿した.現在査読中である. また,昨年度に投稿していた論文が出版された.
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