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2009 年度 実績報告書

金属ナノ粒子ペーストの常温焼結に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 08J01040
研究機関大阪大学

研究代表者

和久田 大介  大阪大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)

キーワード焼結 / 常温 / 室温 / ナノ粒子 / 接合 / 銀
研究概要

加熱処理を必要とせず,Agナノ粒子ペーストの低温焼結法として提案している,アルコール浸漬処理について得られた知見を以下にまとめる.SP(溶解パラメータ)値を基にしたパラメータを導入することで,Ag表面,分散剤,溶剤の相互作用の大小を議論することができ,分散剤除去のメカニズムを明らかにした.ペーストをガラス基板上に描画すると,溶剤であるトルエンは自然に揮発する.ここでアルコールによる浸漬処理を行うと,アルコールードデシルアミンおよびアルコール-Agナノ粒子それぞれの間における親和性の高さが,Ag-ドデシルアミンの親和性を上回る.これにより,ドデシルアミンはAgナノ粒子から効果的に剥離し,アルコール中に溶解する.エネルギーの高いAgナノ粒子は常温においても焼結し,ネック成長および粒子の粗大化に伴い低抵抗の配線を形成する.メタノール浸漬処理は,分散剤の除去能力が非常に高く,2h以内に分散剤を除去することができる.これにより,常温においても加熱処理と同程度の電気抵抗率を得ることが出来る.また,浸漬処理は低温処理にも関わらず,分散剤が深さ方向に均一に除去され,Ag粒子は一様に粗大化する.アルコール浸漬処理の促進方法について,処理液の温度を上げることにより,分散剤の除去および拡散が加速され,処理効果を促進させることができる.また,超音波の照射は,温度を上げることなく分散剤の溶解速度を速め,短時間で低抵抗を実現させることができる.分散剤除去のメカニズムから,浸漬処理に有効な処理剤は,金属ナノ粒子と分散剤の双方に適度な相互作用を有していなければならない.具体的には,分散剤と同程度のを持ち,高い親和性を有していること.また,排除体積,緩和時間を考慮した場合,分子鎖の短い処理剤が効果的である.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Room Temperature Sintering Process of Ag Nanoparticle Paste2009

    • 著者名/発表者名
      Daisuke Wakuda
    • 雑誌名

      IEEE Transactions on Components and Packaging Technologies 32

      ページ: 627-632

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Ag nanoparticle paste synthesis for room temperature bonding2009

    • 著者名/発表者名
      Daisuke Wakuda
    • 雑誌名

      IEEE Transactions on Components and Packaging Technologies 33

      ページ: 1-1

    • 査読あり
  • [学会発表] 印刷・射出技術を用いた導電性接着剤の配線形状制御2010

    • 著者名/発表者名
      和久田大介
    • 学会等名
      第24回エレクトロニクス実装学会講演大会
    • 発表場所
      芝浦工業大学(東京都)
    • 年月日
      2010-03-10
  • [学会発表] Time-dependent sintering properties of Ag nanoparticle paste for room temperature bonding2009

    • 著者名/発表者名
      和久田大介
    • 学会等名
      IEEE NANO 2009
    • 発表場所
      Italy, Genoa
    • 年月日
      2009-07-29

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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