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2010 年度 実績報告書

利他性の進化-「思いやり」を支える情動メカニズムに着目して-

研究課題

研究課題/領域番号 08J01240
研究機関京都大学

研究代表者

服部 裕子  京都大学, 霊長類研究所, 特別研究員(PD)

キーワード社会的知性 / 同調行動 / チンパンジー
研究概要

近年、他者の行動に無意識的に同じ行動を取る同調行動が、他者への思いやりや円滑な関係づくりに重要な役割を果たしていることが指摘されている。そこで、本年度は行動の性質が同調行動に与える影響について調べた。6個体のチンパンジーを対象に、2選択の見本刺激課題を学習させた後、選択刺激が提示される直前にヒトが刺激に対していくつかの異なる働きかけ((1)選択する(Choose)、(2)払いのける(flip)、(3)手を引っ込める(withdraw))のビデオを提示し、ビデオ観察が刺激選択に与える影響を調べた。その結果、(1)選択する(Choose)の効果のみ、妨害効果として反応時間に影響することがわかった。このことから、チンパンジーは、他者の手の動きを観察した際に、ターゲットへの近接性を超えて、細かな手による表現についても影響を受けることが示唆された。
同調行動については、ヒトを対象にした研究では、これまでタッピング行動を用いて自己のリズムがどのように外部刺激によって変化するのか調べられてきた。しかしながら、ヒト以外の霊長類では、こうした個体が持つリズムの特性についてはほとんど明らかになっていない。そこで、チンパンジーを対象に、電子キーボードを用いて、連続的にタッピングすることを学習させ、そのリズムについて調べた。3個体のチンパンジーを対象に、点燈した2つのキーを交互にタッピングすることを学習させ、タッピング間の時間(Inter Tap Interval)を分析した。その結果、ITIはほぼヒトのオトナが示す範囲(550ms-750ms)に類似することが示唆された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2010 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 霊長類の社会的つながりを支えるコミュニケーション能力における進化的基盤2010

    • 著者名/発表者名
      服部裕子
    • 雑誌名

      心理学評論

      巻: 53 ページ: 408-421

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Chimpanzees show more understanding others' attentional states when they request food held in a human experimenter's hand.

    • 著者名/発表者名
      Hattori, Y., Tomonaga, M., Fujita, K
    • 雑誌名

      Interaction Studies

      巻: In press

    • 査読あり
  • [学会発表] チンパンジーとヒトにおける他者の身振りに対する注視行動-アイトラッキングを用いて-2010

    • 著者名/発表者名
      服部裕子, 狩野文浩, 友永雅己
    • 学会等名
      日本動物心理学会第70回大会
    • 発表場所
      帝京大学
    • 年月日
      20100827-20100829

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公開日: 2012-07-19  

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