1、衛星観測データを用いた土地被覆分類に適した分光指数を提案し、複数の地点(落葉広葉樹林、落葉針葉樹林、草地、水田)における分光反射特性の長期地上連続観測データを用いて、その有効性を確認した。本研究で提案する分光指数は、従来から土地被覆に多く使われてきた分光指数に比べて、地表面状態(植生、裸地、水、雪など)を容易に判別できた。そのため、提案した分光指数の季節変化を調べることにより、土地被覆タイプ(森林、草地、水田など)の判別精度の向上が期待できる。また、同一地点における地上観測データと衛星観測データの比較により、本研究の提案した分光指数が従来のものに比べて大気や雲によるノイズに強いことを明らかにした。 2、提案した分光指数を用いて、時系列の衛星画像から日本全国の植物季節(展葉時期と紅葉時期)を観測する手法を開発した。植物季節は、気候変動の指標としてだけでなく、土地被覆を特徴づける情報としても重要である。地上観測データを用いて手法を検証したところ、本研究の手法により、米国NASAの配布している植物季節プロダクトよりも妥当な解を得ることができた。 今後、これらの成果を活用した土地被覆分類手法を構築する予定である。また、これらの成果については、現在、学会誌への論文投稿準備中である。
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