1.高波長分解能・高時間分解能の地上観測による、各種土地被覆の分光特性の把握 昨年度、一昨年度に引き続き、各種土地被覆において分光特性(ハイパースペクトル分光放射計による)や天空・地表面状態(定点自動撮影カメラによる)の観測を、コンピュータ自動制御により毎日継続して実施した。観測は順調に実施され、本研究提案の分光指数GRVI (Green-Red Vegetation Index)を用いた植物季節検出アルゴリズムや土地被覆分類アルゴリズムの開発と検証に必要なデータを取得することができた。また、得られた地上データを用いてサブピクセルサイズの雲によるノイズについて検討した。その結果、従来多く用いられてきた分光指数(NDVI)では大きなノイズ成分が生じる一方で、それ以外の指数(特に近赤外・短波長赤外の波長域を利用したNDWIやLSWIなどの指数)ではほとんどノイズが生じないことがわかった。これは、適した分光指数を選択することで時系列情報を有効活用できることを示しており、本研究を遂行するうえで重要な知見である。 2.分光指数の時系列変化情報を用いた土地被覆分類 分光指数の時系列変化の特徴から各ピクセルの土地被覆を分類するアルゴリズムを構築し、2001年から2010年までの衛星観測データ(Terra MODIS、8日間コンポジット、大気補正済み)に適用した。対象範囲は日本である。現在、現場の踏査情報を用いた検証とアルゴリズム改良を進めている。
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