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2008 年度 実績報告書

レヴァント商人活動とイギリス-オスマン帝国間カピチュレーションの形成に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 08J01824
研究機関筑波大学

研究代表者

林 香那  筑波大学, 大学院・人文社会科学研究科, 特別研究員(DC1)

キーワードオスマン帝国 / 地中海交易 / レヴァント商人 / カピチュレーション
研究概要

カピチュレーションは16世紀半ば以降西欧-オスマン帝国間通商の機軸であり,イギリス・カピチュレーションにおけるイギリス側に有利な通商規定の拡大は,後にオスマン帝国が国際的に不利な立場に追い込まれる根拠となったと推測されるが,その変容の実態及び通商的意義は殆ど取り上げられていない。また17世紀初頭のイギリス・カピチュレーション更新に関しては,先行研究によって指摘する回数が異なり,具体的な更新過程も明らかにされていない。そこで本年度は,17世紀初頭イギリス・カピチュレーションの更新状況,その位置付けの解明を試みた。具体的には,更新交渉に当たったイギリス大使の動向を検討し,彼らがイギリスのレヴァント交易を独占していたレヴァント・カンパニーの一員であり,彼らを代表としたレヴァント商人が更新の主導的な存在であったことを明らかにした。更にレヴァント商人ジョン・サンダーソンの書簡などから,更新されたカピチュレーションの内容がレヴァント商人の意向に沿うものであったことを明らかにし,イギリス・カピチュレーションが本来的に,レヴァント商人らの利潤確保という要求に基づいた,通商的意義の大きいものであったことを指摘した。さらに1604年の更新の実態について,イギリス大使ヘンリー・レロのレポートなどから両国間の更新に伴う交渉の動きを探り,大使が,オスマン帝国の統治の中心にあった母后との結びつきによってオスマン帝国宮廷との外交経路を形成していたことを明らかにした。また1604年・1614年のカピチュレーションに関しては,国内に参照できる史料が無いため,イギリス文書館にて調査を行い,関連資料を入手した。今後はこれらを分析し,イギリス・カピチュレーション変容過程を明らかにすることで,イギリス-オスマン帝国通商関係の展開をより具体的に解明する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] イギリス・カピチュレーションの締結とレヴァント商人2009

    • 著者名/発表者名
      林香那
    • 雑誌名

      史境 58号

      ページ: 46-66

    • 査読あり
  • [学会発表] イギリス・カピチュレーションの獲得とレヴァント商人2008

    • 著者名/発表者名
      林香那
    • 学会等名
      歴史人類学会 第29回大会
    • 発表場所
      筑波大学大塚キャンパス
    • 年月日
      2008-11-08

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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