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2009 年度 実績報告書

フォトニック結晶を用いた新規光化学デバイスの作製およびその評価

研究課題

研究課題/領域番号 08J01836
研究機関北海道大学

研究代表者

西島 喜明  北海道大学, 電子科学研究所, 特別研究員(PD)

キーワードフォトニック結晶 / プラズモン共鳴 / 太陽電池 / 微粒子 / 光電変換
研究概要

本研究においては、微粒子の周期構造体を用いて新規光機能性材料の作製を行い、色素増感太陽電池や光触媒等への応用を目的として研究を行ってきた。特に従来の色素増感太陽電池では可視光に対しては光電変換可能であったが、800nm以上の近赤外光では光電変換ができないことが知られている。今年度の研究では、800nmより長波長の光を用いても光電変換を行うことが可能であることを見出した。n型半導体基板としてNbを0.05%ドープしたルチル型単結晶酸化チタン基板を用いて、表面にレジストコート、EB描画、スパッタリングによる金成膜、リフトオフ法によって金属ナノ微粒子周期構造体を作製した。周期構造の設計は、110x240x40nm^3とし、周期はそれぞれ、200nm、300nmとした。この構造設計においては波長650nmと1000nmに共鳴を有する構造体となっている。この酸化チタン/金周期構造体を作用電極とし、対極に白金線参照電極に飽和カロメル電極(SCE)を用いた系において三電極式光電気化学計測によって測定を行った。その結果によると、従来単結晶酸化チタン基板のみの条件においては、バンドギャップが3.2eVを有しているために、400nm以下の波長の光でしか光電流を得ることができないが表面に金ナノ微粒子周期構造体を有することにより、500nm以上の長波長の光を照射しても光電流が得られることがわかった。さらに、各波長に対する変換効率を調べるために分光器によって単色光を得、アクションスペクトルを測定したところ、共鳴スペクトルに対して良い一致を示すスペクトルが得られた。このことから、光電変換は金ナノ微粒子構造体と光との共鳴によって誘起されているものと考えられる。以上のことより今年度において私は、酸化チタン単結晶基板上に金ナノ微粒子周期構造を作製することにより、その共鳴に依存した光電変換を可視から近赤外の幅広い波長で達成した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2010 2009

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] 金ナノ構造体を用いた可視・赤外光電変換システムの構築2010

    • 著者名/発表者名
      西島喜明
    • 学会等名
      日本化学会第90年会
    • 発表場所
      大阪府東大阪市近畿大学
    • 年月日
      2010-03-29
  • [学会発表] 酸化チタン/金ナノ構造体を用いた光電変換2010

    • 著者名/発表者名
      西島喜明
    • 学会等名
      第57回応用物理学関係連合後援会
    • 発表場所
      神奈川県平塚市東海大学
    • 年月日
      2010-03-18
  • [学会発表] TiO_2単結晶/Auナノ構造電極による光電変換2009

    • 著者名/発表者名
      西島喜明
    • 学会等名
      光化学討論会
    • 発表場所
      群馬県桐生市市民文化会館
    • 年月日
      2009-09-17

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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