すべての生命体は遺伝子の発現により制御されている。この遺伝子の発現にはDNAの転写とmRNAの翻訳の過程において、一般的に時間がかかることが近年の実験で明らかになっている。しかしながら、今までの理論的研究では、遺伝子の制御が形態形成の中核であるにも関わらずこのような課程を無視してそのメカニズムを調べて来た。そこで、申請者は昨年オックスフォード大学を訪問し、遺伝子発現のフィードバックの時間遅れの現象がTuringパターンの形成に与える影響について、主に連続モデルにおいて調べた結果、遺伝子発現の時間遅れの影響は安定なパターン形成に深刻な影響を与え、さらに安定なパターン形成のメカニズムとして提案されていたGrowing Domainが遺伝子発現を考える上ではreliableなメカニズムではないことを明らかにし、第3の新たなメカニズムが理論的に必要であることを示唆した。この研究は4つの論文としてまとめられた。
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