本研究は、自民党議員を取り巻く環境、議員の認識と行動、政党組織を選挙制度改革前後で比較するものである。 研究実施計画(平成20年度)では、次の3つの作業を行う予定であった。3つとは、(1)3つの論文を発表すること、(2)自由民主党に関する資料収集、(3)国内外の政党の発展に関する文献のレビューを行うことである。 (1)に関して、予定よりも早く、平成19年度に2つの投稿論文(「個人投票の低下」、「選挙制度と議員の選挙区活動」)がそれぞれ『選挙学会紀要』、『日本政治研究』に受理され、発表に至った。また、残りの1本(「小選挙区比例代表並立制の存立基盤」)については、日本選挙学会のポスターセッションで発表した。また、『選挙研究』ではなく『年報政治学』に掲載されることが決定した。そのため、来年度の業績として発表できることになった。この論文では、現在の日本の選挙制度がどのような要因によって持続しているのかを、議員の選挙制度認識から明らかにした。 (2)に関して、『自由民主党50年史』、『月刊自由民主』、『自由新報』、オーラル・ヒストリー、新聞記事、回顧録等の資料を収集することができた。これにより、来年度、自民党の党改革に関する論文を執筆する準備が整ってきている。 (3)に関して、国内外の政党組織に関する文献を収集し、レビューを行った。一部は、博士論文で発表した。これも、来年度の論文執筆に活かされる。
|