研究課題
本研究の目的は、土壌圏からの植物由来の呼吸量を正確に把握し、森林炭素循環における根呼吸の定義の明瞭化と定量化を目指すことであり、本年度はいくつかのタイプの異なる森林で測定を行った。2008年6月マレーシア・パソ試験林において、7月滋賀県・桐生試験地において、フラックスの観測に加えて、炭素安定同位体を用いての森林炭素循環の解明に関する調査を行った。2008年4月-8月、滋賀県・山城試験地において呼吸量測定装置・スキャナを設置し、継続調査をおこなった。2008年8月末より渡仏、国際会議JECIUM(ヨーロッパ安定同位体利用会議)に参加、情報収集をおこなった。その後フランス国ナンシー大学において、炭素安定同位体13Cを樹木にラベリングし、そのシグナルを得ることで樹木の炭素の流れを解明するプロジェクト「CATS(Carbon Allocation of Tree and Soil)」おいてCATSプロジェクト実験に参加。これはフランス国内で安定同位体を連続測定できるTDLS(Tunable Diode Laser Spectrometer)をもち、異なる樹種からなるナンシー・パリ・ボルドーの3地点の森林でおこなわれている。10月よりフランス国ボルドー市、国立農業研究所ボルドー支所においで、同プロジェクトに参加している。光合成産物が根へ到達する速度を測定するための土壌呼吸連続測定とサンプリングによる根中の13C炭素含有量測定を担当するとともに、土壌呼吸における根呼吸の役割を評価するために、日本において開発した根呼吸を非破壊に測定する手法を13C測定に応用し、測定を開始している。
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