研究概要 |
今後の森林資源把握における高解像度衛星データのテクスチャ情報の重要性を考慮し,体系的に林分構造因子とテクスチャ情報の関係解析を行うことを目的とした。 テクスチャ情報を考慮した上で,林相区分に最適な分解能について検討を行った。IKONOSマルチスペクトル画像をリサンプリングし,空間分解能4mから30mまでの画像を作成した。それぞれの画像に対して,オブジェクトベース分類を行った。分類手法はCART(Classification And Regression Tree)法を用いた。CART法に投入する変数として,1)スペクトル情報のみの場合,2)テクスチャ情報のみの場合,3)スペクトル情報とテクスチャ情報の両者を組み合わせた場合の3種類を検討した。これら3つの分類精度をKappa係数を用いて比較した。なお,テクスチャ情報には,標準偏差,および同時生起行列から求められる6つの特徴量を用いた。その結果,より空間分解能が高いデータを用いた方が,分類精度は向上することが示唆された。また,空間分解能が25mより高い画像を用いて林相区分を行う場合は,スペクトル情報とテクスチャ情報を併用して分類を行う方が望ましく,空間分解能が25m以下の空間分解能の画像を用いる場合は,必ずしもテクスチャ情報は必要で無いことが明らかになった。 テクスチャ情報の利用に適すると考えられる,高分解能のデータ解析について,国内での報告事例が乏しい。そこで,どの様な方法が存在するか、把握する必要が有る。本研究では、空間分解能が高いデータに対する解析方法について、国内外の文献を整理し、学会にて報告をおこなった。
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