研究概要 |
(1)フィールドデータの整理・分析作業2002年〜2006年の海外フィールドワークで収集してきた資料の整理・分析作業を行なった。自筆のフィールドノートをパソコン上で操作・検索可能なデータに変換し、またインタビューテープの書き起こし・電子データ化を行なった。 (2)エスノメソドロジー、言語人類学についての文献研究人類学のみならず社会学、経済学分野などの近接学問領域までも含めて国内外の最新の研究状況を把握し、本研究の学問的位置付け、方法論を探った。特に注目したのは社会学におけるエスノメソドロジーの手法を活用した研究、およびその手法を発展させた言語人類学における会話分析である。貝殻貨幣が、貝殻として採取されてから貨幣として使用されるまでの一連の意味付けの変容を、これらの手法を用いて分析する方法論を検討した。 (3)学会誌への論文執筆上記、(1),(2)の作業の成果を用いて論文を執筆した。該当論文「つながる実践と区切りだされる意味:パプアニューギニア、トーライ社会の葬式における貝貨の使い方」は日本文化人類学会の学会誌「文化人類学」73(4)に掲載された。 (4)ソロモン諸島での調査に向けての準備来年度のソロモン諸島でのフィールドワークのための準備、情報収集を行なった(初めて訪れる調査地のため、事前の準備は調査の成功を左右する大きなファクターとなる)。当地で長年フィールドワークを行なっている日本人研究者、当地の関係政府機関(ソロモン諸島ロヴィアナ州等)と連絡を取り、調査に必要な情報収集と人脈形成を行なった。
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