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2009 年度 実績報告書

ひきこもり現象の発生原因の社会学的研究~経験者・家族への質的調査に基づいて

研究課題

研究課題/領域番号 08J02686
研究機関大阪大学

研究代表者

井出 草平  大阪大学, 人間科学研究科, 特別研究員PD

キーワードひきこもり / 不登校 / 逸脱 / 社会病理 / スチューデント・アパシー
研究概要

研究目的は、40万人規模で日本に存在する「ひきこもり」という現象の原因理解とその支援・解決である。これまでの調査研究の中でひきこもり状態にある人にはいくつかのサブグループがあることを示してきた。中学・高校で陥ることり多い「拘束型」と、大学で陥ることの多い「開放型」があるとした。研究の1つとして大学でのひきこもりについて初めての量的調査を行った。大学の中学・高校の不登校既往はおおよそ7割が経験していない。これは、大学でひきこもり状態になっている者と中学・高校でひきこもり状態になっている者の質的な違いを示すデータだと考えている。
また、この期間に厚生労働省でのひきこもり科研に参加し、新しい版のひきこもり対応ガイドラインづくりに関与してきた。現在までの研究結果を政策に反映することに成功した。
家族とひきこもりの関係性について考察することを目標にし、経験者、支援者への調査を行った。この調査の結果、家族とひきこもりの関係性がより明らかになったと考えている。ひきこもりとは、社会的関係を持たないこと、家族以外の他者とコミュニケーションをしないことをいうが、ひきこもりの家族を調査した結果、本人がひきこもる以前に、家族がひきこもり状態にあることがわかった。加えて、そのような家族像は近代家族の報想像とされてきたことから、近代化とひきこもりの関係が示唆された。研究結果は牟田和恵編『家族を超える社会学』(新曜社)「ひきこもりと家族」にまとめた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 大学生に見出されるひきこもりの精神医学的な実態把握と援助に関する研究2010

    • 著者名/発表者名
      水田一郎・井出草平・谷口由利子・小林哲郎・石谷真一・安住伸子
    • 雑誌名

      厚生労働科学研究費補助金(こころの健康科学研究事業)「思春期のひきこもりをもたらす精神科疾患の実態把握と精神医学的治療・援助システムの構築に関する研究」分担研究報告書 1(印刷中)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 大学からみたひきこもり予防の可能性2009

    • 著者名/発表者名
      井出草平
    • 雑誌名

      少年育成 643

      ページ: 22-29

  • [図書] 「ひきこもりと家族」『家族を超える社会学』2009

    • 著者名/発表者名
      井出草平
    • 総ページ数
      4
    • 出版者
      新曜社

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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