研究概要 |
本研究では、マレーシア・サバ州において、森林管理協議会(Forest Stewardship Council : FSC)による森林認証を取得しているデラマコット森林施業区周辺を主調査地とし、そこに住む先住民オラン・スンガイの村落であるW村を対象にして、村人の生業や慣習的な森林利用について聞き取り調査を実施した。そして森林認証制度の導入経緯,認証機関の審査での指摘事項とサバ林業局(Sabah Forestry Department)の対応について,林業局資料や審査報告書の分析によって明らかにした。上記の研究課題について、アメリカ、カルフォルニア大学サンタクルーズ校、イェール大学Program in Agrarian Studiesにて、客員研究員として滞在し、森林認証制度についての研究を深化させるとともに、数々の研究発表、英語での論文作成も進めている。調査結果の一部は、論文「FSC森林認証制度の運用における先住民への影響」として学術雑誌『林業経済研究』で受理され、2010年7月に刊行された。また弘文堂発行の総合地球環境学研究所編「地球環境学事典」にて『森林認証制度』も担当した。
|