研究課題
本年度は、一昨年度に洞察を得て昨年度に論文を仕上げた、世界や時間や個体といった複数次元を一挙同時に扱うことが可能な多次元版ハイブリッド論理の研究をさらに進め、複数の学会で研究発表を行い、論文執筆を行った。昨年度に得た位相空間に対する多次元ハイブリッド論理の完全性定理と、この結果の近傍フレームへの一般化、に関して論文を執筆し、国際会議Hylo 2010で発表を行い、Post-proceedings of Hylo 2010に論文が採択された。さらに、レスター大学滞在時に、多次元版ハイブリッド論理を余代数的意味論(余代数とはクリプキ構造・位相空間等を一般化した数学的構造)へと一般化できることを明らかにし、レスター大学で研究発表を行ったうえで、論文執筆を行い、余代数・代数研究における国際会議であるInternational Conference on Algebra and Coalgebra in Computer Scienceに投稿した。こういった成果からわかるのは、ハイブリッド論理の多次元化というアイデアのもつ数学的一般性である。一昨年に成果を上げた反事実条件法のハイブリッド論理に関しては、アムステルダム大学滞在時に、Dynamic Epistemic Logicとの興味深い関連を見出し、それに関して研究発表および論文執筆を行った。位相空間上の導集合演算や閉包演算と似た振る舞いを示すグレード付き様相論理(Graded modal logic)に関しては、昨年度にMinghui Ma (Tsinghua University)を共同で論文を仕上げたが、投稿中であった該当論文が国際会議Advances in Modal Logicに採択された。最後に、昨年度国際会議Wollic2009に採択された、疑問文の形式意味論inquisitive pair semanticsについての成果を、述語論理へと拡張し(ヒルベルト流公理系とゲンツェン流のラベル付きシークェント計算体系を与えた)、この成果をまとめた論文が、国際会議ICLA 2011に採択された。
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Proceedings of 4th Indian Conference on Logic and its Applications (ICLA 2011), LNCS 6521
巻: 6521 ページ: 147-161
LIRa yearbook 2010, ILLC, University of Amsterdam
巻: (掲載確定)
Post-proceedings of Hylo 2010
Proceedings of Advances in Modal Logic 2010 (AiML 2010), College Publications, London
巻: Vol.8 ページ: 330-349
Proceedings of International Workshop on Hybrid Logic and Applications (HyLo 2010) Paper number : Hylo-7
巻: CD-ROM
Journal of Applied Logic
巻: Vol.8(4) ページ: 459-474
http://www.geocities.jp/k2sn/index.html