研究課題
1.染色体構造異常を伴った症例の切断点解析(1).染色体構造異常と顕著な低身長を呈した症例の詳細な染色体解析顕著な低身長を呈し、核型分析より1番染色体に欠失を見出した症例を経験した。本症例は、顕著な成長遅延、発達遅滞などを認めたため、アレーCGH法により染色体構造異常を詳細に明らかにし、その遺伝的要因を考察した。解析の結果、染色体1番のq24.3~q31.2領域に欠失を認め、それ以外のコピー数異常は同定されなかった。この欠失は両親には認められない新規突然変異であった。欠失領域には、LHX4遺伝子が含まれ本症例の成長遅延と関連があること強く疑われた。(2).染色体転座を伴った早発性卵巣機能不全の切断点解析昨年度から継続して行っているX染色体に転座を有する早発性卵巣機能不全4症例(POF)において、それらの転座切断点をすべて塩基レベルで決定した。得られた切断点から興味深い遺伝子の断裂を確認している。その遺伝子はPOFの有力な候補遺伝子であるため、転座症例を除いたPOF患者検体で変異解析を行っている。病的な変異を同定した場合には、その遺伝子がコードするタンパク質の機能解析等を行う。2.先天性多発奇形症例における染色体微細構造異常解析集積されている先天性多発奇形症例を高解像度のマイクロアレーを用いて全ゲノムの網羅的なコピー数変化の解析を行っている。検出されたコピー数変化は、データベース等を利用して、その病的意義を検討する。病的と疑われる領域においては、FISH法や定量PCR法でさらに検証し、同定を行う。
すべて 2010 2009
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (2件) 図書 (1件)
Genesis. 48
ページ: 233-243
Brain and Development 32
ページ: 502-505
Journal of Neurology, Neurosurgery, and Psychiatry 80
ページ: 1050-1052