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2008 年度 実績報告書

4者系の共進化:クリシギゾウムシ・寄生植物・寄生蜂・共生細菌系の適応進化を探る

研究課題

研究課題/領域番号 08J04352
研究機関独立行政法人産業技術総合研究所

研究代表者

東樹 宏和  独立行政法人産業技術総合研究所, 生物機能工学研究部門, 特別研究員(SPD)

キーワード共進化 / 軍拡競走 / 共生
研究概要

日本各地から集め準クリシギゾウムシからDNAを抽出し、真性細菌の16rDNAに特異的なプライマーでクローニングを実施したところ、腸内細菌科の細菌を中心に様々な系統の細菌がゾウムシ体内に存在していることが明らかになった。なかでも、最も高頻度で出現した細菌(以下、一次共生細菌)は、データベース上に近縁な種が存在しない新奇な共生細菌であった。この一次共生細菌は、自由生活を行うほかの細菌に比べてDNAの塩基組成がATに偏っており、昆虫に絶対的に依存して生活する細菌であると予想された。この一次共生細菌の16SrRNAに特異的に結合する蛍光プローブを作成して、蛍光in situハイブリダイゼーション(FISH)を行ったところ、雌成虫の卵巣小管への感染が確認された。この結果より、クリシギゾウムシの一次共生細菌が、雌ゾウムシ体内の卵への感染を通じて、次世代のゾウムシ個体に垂直伝播されることが推察される。
また、クリシギゾウムシの終令幼虫から消化管を取り出し、上記のプローブによるFISHを実施したところ、中腸の前半部(胃のやや後ろ)に一次共生細菌がびっしりと詰まった細胞(菌細胞)がみつかった。この菌細胞は、中腸をとりまく形で存在しており、宿主ゾウムシの消化機能に対して一次共生細菌が何らかの関与をしていることを窺わせる。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2009 2008 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Fine-Scale Local Adaptation of Weevil Mouthpart Length and Camellia Pericarp Thickness : Altitudinal Gradient of a Putative Arms Race2008

    • 著者名/発表者名
      Hirokazu Toju
    • 雑誌名

      Evolution 62

      ページ: 1086-1102

    • 査読あり
  • [学会発表] シギゾウムシ類を中心とした共進化ネットワークをひも解く2009

    • 著者名/発表者名
      東樹宏和
    • 学会等名
      第56回日本生態学会企画集会
    • 発表場所
      岩手県立大学
    • 年月日
      2009-03-18
  • [学会発表] 軍拡競走:ゾウムシの口吻とツバキ果実の共進化2008

    • 著者名/発表者名
      東樹宏和
    • 学会等名
      日本進化学会第10回東京大会ワークショップ
    • 発表場所
      東京大学駒場キャンパス
    • 年月日
      2008-08-24
  • [図書] シリーズ群集生態学2進化生物学からせまる[分担執筆]2009

    • 著者名/発表者名
      東樹宏和・曽田貞滋
    • 総ページ数
      327
    • 出版者
      京都大学学術出版会
  • [備考]

    • URL

      http://mywiki.jp/curculio/Hirokazu%20TOJU/

URL: 

公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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