研究課題
分子内シャペロンとして働くプロペプチドの機能解析やフォールディング過程の中間体の解明を通して分子内シャペロンが介助するフォールディング履歴を解明し、未だ未解明である一般的なタンパク質のフォールディングの原理解明につなげることを目的とする。そのために4段階のプロペプチドの切断に伴い徐々に構造が変化していくと考えられているモデルタンパク質CPYを解析し、その段階的なフォールディングの変遷を解明することを目指している。CPYとその阻害剤であるI^cの複合体結晶構造情報とプロペプチドとI^cの相同性がら、プロペプチドの一部が成熟領域内部に入り込んで基質認識部位を形成し、フォールディングに関与している可能性が示唆された。そこでそのプロペプチド部位に、基質認識部位に入りCPYを阻害する配列(I^cのN末端配列)を組み込んだ変異体を作製し、その変異体のフォールディング能を酵母分子ディスプレイ法を用いて検証した。すると阻害配列を導入した変異体は、野生型CPYよりも活性が上昇した。更にこれらの変異体を精製し、速度論的解析を行った。分子ディスプレイ法の結果と同様に、変異体の方が野生型よりも活性が上昇し、特に酵素の触媒効率が上昇したことが判明した。これは導入した阻害配列により活性中心付近の構造が変化したと考えられる。また、基質認識部位を形成すると予測されるプロペプチド部位が実際に基質認識部位に入るかを検証した。このペプチドはI^cのN末端阻害配列と同様にCPYとI^cの結合(I^cのCPY阻害能)を阻害したことから、基質認識部位に入り込む部位だという可能性が示唆された。以上の結果より、プロペプチド内に存在する成熟領域の基質認識部位を形成する配列に変異を導入することで、成熟体に変異を加えることなくその活性を変化を起こさせる可能性が証明されたことから、プロペプチドが関与するフォールディング機構の一端が示された。
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Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry 73
ページ: 753-755