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2008 年度 実績報告書

戦後日本における「風流夢譚」事件のジャーナリズム史的研究-編集者の配置と思想から

研究課題

研究課題/領域番号 08J04719
研究機関総合研究大学院大学

研究代表者

根津 朝彦  総合研究大学院大学, 文化科学研究科, 特別研究員DC2

キーワード中央公論 / 「風流夢譚」事件 / 編集者 / 総合雑誌 / 論壇時評 / 聞書き / ジャーナリズム史 / 思想史
研究概要

本年度は、大きくいって3つの研究概要にまとめられる。第1は、戦後史の社会・思想状況の研究。第2は、聞書き調査。第3は、資料収集である。拙稿「『中央公論』編集者の配置と思想」、同「編集者粕谷一希と『中央公論』」の完成により学位論文の第3章と第4章の執筆に目処が立ったため、学位論文の第1章と第2章の執筆に入るための事前準備に力を入れた。戦後史の社会・思想状況の研究は、大学院演習での発表、メディア史研究会での学会発表、小田実の書評(『三田学会雑誌』に掲載)にて行った。大学院演習では小和田次郎『デスク日記』全5巻、戦後学生運動史、本多秋五『物語戦後文学史』全3巻を扱い、メディア史研究会では『世界』『中央公論』『文藝春秋』『改造』『展望』の編集後記を検討し、ベトナム戦争期の「論壇」で欠かすことのできない知識人の小田実を俎上にあげることで、学位論文の執筆に不可欠な戦後の時代状況への知識と理解を多面的に深めることができた。聞書き調査は、延べ18人もの関係者に聞書きを行えた。とりわけ中央公論社の関係者に留まらず、当時の新聞社の学芸部記者、岩波書店の編集者、『中央公論』への執筆者、『展望』の編集長に聞書きをしたことに大きな意義がある。資料調査は、博士論文の対象期間である1945〜1972年の『朝日新聞』『毎日新聞』『読売新聞』の「論壇時評」を全て収集することができた。また中央公論社が書店向きのPR冊子として作成した『書店はんじょう』を1957〜1968年を関係者の好意により複写することができた。これは編集者だけでなく営業部員の思想状況を知るためにも非常に貴重な資料といえる。文献購入はもとより録音機材やハードディスクの購入も聞書き調査をはじめとする研究を進捗させるにあたり大いに有益であった。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 編集者粕谷一希と『中央公論』『現実主義』論調の潮流をめぐって2008

    • 著者名/発表者名
      根津朝彦
    • 雑誌名

      総研大文化科学研究 第4号

      ページ: 57-81

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 「戦後8月15日付社説における加害責任の論説分析」上2008

    • 著者名/発表者名
      根津朝彦
    • 雑誌名

      季刊戦争責任研究 第59号

      ページ: 69-77

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 「戦後8月15日付社説における加害責任の論説分析」下2008

    • 著者名/発表者名
      根津朝彦
    • 雑誌名

      季刊戦争責任研究 第60号

      ページ: 67-75

    • 査読あり
  • [学会発表] 編集後記に見る戦後総合雑誌のジャーナリズム史研究2008

    • 著者名/発表者名
      根津朝彦
    • 学会等名
      メディア史研究会
    • 発表場所
      日本大学
    • 年月日
      2008-04-26

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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