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2009 年度 実績報告書

差分方程式の解の超越性と既約性の研究

研究課題

研究課題/領域番号 08J04941
研究機関東京大学

研究代表者

西岡 斉治  東京大学, 大学院・数理科学研究科, 特別研究員(DC1)

キーワード差分代数 / 関数方程式論 / パンルヴェ方程式 / q-差分方程式 / 既約性
研究概要

本年度は差分方程式の解の超越性に関する次のような結果を得た.q-Painleve II型方程式は代数関数解を持たない.ここで言うq-Painleve II型方程式は非線形q-差分方程式で,Painelve II型常微分方程式のq-差分版の一つである.また代数関数とは,有理関数を係数とする多項式の根となる関数である.代数関数でない関数を超越関数と呼ぶ.Painleve II型常微分方程式は非自明な代数関数解を持つことが知られていた.
差分方程式の可解性に関する研究も行った.差分方程式の可解性とは,代数方程式における,有限個の四則演算と巾根により解を表示できるか,という可解性の問題を差分方程式に拡張したものと言える.大雑把に言えば,四則演算と巾根をとるという操作に無限和をとる操作と無限積をとる操作を加えたものである.線形差分方程式に対してはFrankeにより方程式が可解であることの定義が与えられていた.その定義に従い,差分Riccati方程式の可解性に関する一般論を構築し,q-Airy方程式とq-Bessel方程式が可解でないことを示したのが本年度の結果である.上記方程式は共に2階線形q-差分方程式で,それぞれAiry方程式とBessel方程式のq-差分版である.
線形(q-)差分方程式は解が分解可能拡大に属すという意味で可約である.従って,q-Airy方程式とq-Bessel方程式は可約かつ非可解な方程式の例となっている.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] On Solutions of q-Painleve Equation of Type A_7^<(1)>2009

    • 著者名/発表者名
      NISHIOKA, Seiji
    • 雑誌名

      Funkcialaj Ekvacioj 52

      ページ: 41-51

    • 査読あり

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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