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2009 年度 実績報告書

再生医療本格化の為の上皮細胞を中心とした新規組織工学技術の開発

研究課題

研究課題/領域番号 08J05089
研究機関早稲田大学

研究代表者

小保方 晴子  早稲田大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC1)

キーワード皮下移植 / 組織再生 / 上皮細胞 / 幹細胞
研究概要

再生医療研究において、作製された医療材料の生態親和性を評価することは極めて重要な実験項目である。ヒト細胞を用いた研究においては免疫拒絶反応を回避するため、ヌードマウスを用いた移植実験が多く行われてきた。ヌードマウスにヒト細胞で作成された組織を移植すると、組織再生が促され、比較的長期に生体内で維持されることが多く報告されている。ヒト細胞のヌードマウスへの移植系はヒトへの自家移植系の模擬実験系と認識されている。そのため、ヒト細胞のヌードマウスへの移植結果は、ヒト臨床研究に移行する前の重要な参考データとなっている。本研究課題はこのような組織工学・再生医療研究の歴史を踏まえ、皮下移植後のヒト組織再生を促進させる因子の探索と、ヒト臨床研究に向けて、ヒトへの移植後どのような反応が起こるのかを正確に予測できるような動物実験モデルを構築することを目的として研究を進めている。
昨年度までの研究から、皮下移植後の組織再生には炎症性サイトカインであるIL-1,IL-6,IL-12が重要な役割を果たしている可能性が見出されていた。本年度は個々の因子の作用を観察するため、皮下移植模擬培養系を構築した。候補因子のヒト組織への添加実験から、ヒト細胞の増殖にはIL-1a,IL-6,IL-12が作用し、ヒト細胞の分化にはIL-1b,IL-12が作用していることが分かった。
また、免疫応答の全体像を比較すると、ヌードマウスの免疫系応答は、野生型のマウスとは大きく異なることが皮下移植の実験結果から分かった。つまり、ヌードマウスへの皮下移植後の結果が、実際のヒトへの移植後の結果を反映していないことが予想される。本年度は、免疫抑制剤で免疫応答を抑制した野生型マウスとヌードマウスに、ヒト細胞を移植した後、移植後の組織と免疫応答の比較研究を行ってきた。実際のヒト臨床研究での結果を正確に予想するために、動物実験結果から着目すべき項目を提案するための研究を継続中である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2010 2009

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] 皮下移植後の組織再構築因子の探索2010

    • 著者名/発表者名
      小保方晴子
    • 学会等名
      第9回日本再生医療学会総会
    • 発表場所
      広島
    • 年月日
      2010-03-18
  • [学会発表] Subcutaneous Transplantation of Oral Mucosal Epithelial Cell Sheest Fabricated on Temperature-Responsive Culture Dishes2009

    • 著者名/発表者名
      小保方晴子
    • 学会等名
      TERMIS World Congress Meeting 2009
    • 発表場所
      ソウル 韓国
    • 年月日
      2009-09-01
  • [学会発表] Inflammationa Analyses after Subcutaneous Transplantation of Cell Sheets for Development of a Novel Tissue Engineering Method2009

    • 著者名/発表者名
      小保方晴子
    • 学会等名
      TERMIS World Congress Meeting 2009
    • 発表場所
      ソウル 韓国
    • 年月日
      2009-09-01

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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