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2009 年度 実績報告書

量子群の研究とモジュラー表現論への応用

研究課題

研究課題/領域番号 08J05306
研究機関京都大学

研究代表者

土岡 俊介  京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)

キーワード対称群 / 量子群 / リー環論 / ヘッケ環 / 結晶基底 / 標準基底 / スピン表現 / 増大度関数
研究概要

本年度は引き続きヘッケ・クリフォード環の表現論をリー環論的側面から研究した。ヘッケ・クリフォード環は、対称群の群代数のスピン類似であるセルゲーヴ環の量子類似であり、対称群のモジュラー表現論と関係している。まずは昨年度証明した量子標数が偶数の場合にこれの(モジュラー分岐則などの)表現論が捩じれアフィンD型と関連するという定理を論文にまとめて発表した。これと2001年度に証明されたブランダン・クレシュチェフの結果(量子標数が奇数の場合のヘッケ・クリフォード環の表現論と捩じれアフィンA型の関連)から、本年度はヘッケ・クリフォード環に対するラスクー・ルクレール・チボン・有木型定理を目標に研究した。当初の目標は、ルクレールが2004年に提出した量子標数零でアフィン・ヘッケ・クリフォード環の既約表現と無限B型の標準双対基底が対応するという予想であったが、研究の途中でこの予想が修正を要することが明らかになった。これは、非対称型量子群の標準基底が必ずしも正値性を持っていないからである。このような現象をコバノブ・ラウダ・ルキエ代数でも確認した他、G2型の場合に双対標準基底と対応しない1176次元の既約表現も構成した。このような知見をさらに深めて、非対称量子群上に新しい基底を導入し、関連するヘッケ環上の表現論に応用することを今後の課題としたい。
また昨年度に引き続き、アルチンモノイドの増大度関数についても研究した。特に、齋藤恭司氏が2008年に提出した増大度関数の分母の零点分布に関する3つの予想に取り組み、そのうちの1つについて安田正大氏らと共同でラマヌジャンの半テータ関数を用いて成果を得た。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2010 2009 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Catalan numbers and level 2 weight structures of $A^{(1)}_{p-1}$2009

    • 著者名/発表者名
      Shunsuke Tsuchioka
    • 雑誌名

      RIMS Kokyuroku Bessatsu 11

      ページ: 145-154

    • 査読あり
  • [学会発表] Hecke-Clifford superalgebras and Kashiwara's crystal2010

    • 著者名/発表者名
      Shunsuke Tsuchioka
    • 学会等名
      Algebraic Analysis and Beyond
    • 発表場所
      京都大学
    • 年月日
      2010-03-14
  • [備考]

    • URL

      http://www.kurims.kyoto-u.ac.jp/~tshun/

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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