昨年度で遠方(z>1)におけるIa型超新星発生率(Rate)の結果が出たので、本年度は、その成果の発表を行った。本研究において、すばる望遠鏡を用いた超新星サーベイによって、近傍からz^1.2の遠方までのIa型超新星Rateを少ない誤差で求めることができ、その徐々に上昇していくRateから、星生成からIa型超新星爆発までの間の時間差について議論することができた。本研究の成果は、京都での国際学会、またブラジルでの国際天文学総会にて発表し、論文については、共同研究者であるローレンスバークレー研究所のメンバーと調整中である。また本年度後半では、同じデータより、重力崩壊型超新星Rateの測定を行った。本研究によって、初めて観測から重力崩壊型超新星Rateの進化を測定することができ、その上昇率は、銀河から求められた星生成史をよくトレースすることから、重力崩壊型超新星は星生成から非常に短いタイムスケールで爆発することが示せた。この結果を、2010年春季天文学会にて、発表した。 本研究で求めた、Ia型超新星および重力崩壊型超新星のRateは、星生成と超新星爆発の間の時間差について、観測によって強い制限を加えることができるので、今後の超新星の起源の理論モデルの構築の大きな手掛かりになったといえる。
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