これまでに構造制御が確立したMgO或いはSnO_2コアナノワイヤ上にレーザMBE法を用いて機能性酸化物シェル層(TiO_2)をin-situで堆積した。成長雰囲気(雰囲気温度、酸素分圧)、堆積時間・堆積速度を精密に制御することにより、原子層レベルで高度に規定された均一なシェル層の堆積に成功した。コアシェルヘテロナノワイヤ構造体の結晶成長メカニズムをX線回折や高分解能透過型電子顕微鏡分析を用いて多角的に評価した。 上記の様に作製されたコアシェルヘテロナノワイヤの統計的な電気輸送特性をマイクロ波電気伝導測定法を用いて評価した。コアシェルヘテロ構造体作製における種々の条件(雰囲気温度・酸素分圧等)が、ヘテロ界面における相互原子拡散作用を介してヘテロナノワイヤの電気物性に大きな影響を与えることを明らかにした。 上記コアシェルヘテロナノワイヤ構造体を有機溶媒中へと分散させた。超音波分散及び液中での分散状態を基板展開後の電子顕微鏡観察及び液中での動的光散乱測定により評価した結果、良分散状態を得るには極性指数を考慮した有機溶媒選定が不可欠であることを明らかにした。更に基板展開されたナノワイヤをナノ電極間に単一で架橋する電子線リングラフィー技術を習得した。これにより単一ナノワイヤにおける電気輸送特性の評価が可能となる。
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