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2009 年度 実績報告書

コラーゲン三重螺旋構造の熱安定性とフォールディング機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 08J06688
研究機関大阪大学

研究代表者

河原 一樹  大阪大学, 大学院・薬学研究科, 特別研究員(PD)

キーワードコラーゲン / X線結晶構造解析 / ヒドロキシプロリン
研究概要

脊椎動物中に最も多く存在する蛋白質であるコラーゲンは、結合組織の主要成分であり、三重螺旋構造及び繊維構造を形成することで組織維持に必要な強度と弾力性を獲得している。また、細胞外マトリクスとしても働き、接する細胞に対して、増殖、分化などのシグナルを与える役割も担っていることから、再生医学の分野において生体材料としての応用が期待されている。しかしながら、天然コラーゲンの繊維性による取り扱いの難しさから、これまで詳細な物性情報が得られた例は少ない。これらの問題を解決するため、我々は定まった重合度を有するモデルペプチド(Xaa-Yaa-Gly)_nを固相法により合成し、様々な物理化学的および構造生物学的測定を行うことで、従来まで解析困難であったコラーゲンの三重螺旋構造の物性解析を可能にした。本年度は、コラーゲンに特徴的に存在する4(R)-ヒドロキシプロリン(Hyp^R)の役割に着目し、モデルペプチド(Pro-Hyp^R-Gly)_<10>および(Hyp^R-Hyp^R-Gly)_<10>,そして立体化学の異なるHyp^SをX位に導入した(Hyp^S-Hyp^R-Gly)_<10>および(Hyp^S-Pro-Gly)_<15>を合成し、配列中の位置依存的または立体化学依存的なHypの影響に関する研究を行った。天然のコラーゲンでは、翻訳後修飾によりY位にのみ選択的にHyp^Rが導入される。我々のX線単結晶構造解析と熱力学測定を組み合わせた解析から、Y位にHyp^Rが存在した場合にのみ、隣接する鎖との間に立体障害を起こさず三重螺旋構造の安定性に望ましい水和が生じることが明らかになった。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Structure and function of marinostain, a natural ester-linked serine protease inhibitor2010

    • 著者名/発表者名
      泰地美沙子
    • 雑誌名

      Peptide Science 2009 (In press)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Hyperstability and crystal structure of cytochrome c555 from hyperthermophilic Aquifex aeolicus2009

    • 著者名/発表者名
      大淵麻利衣
    • 雑誌名

      Acta Crystallographica Section D 65

      ページ: 804-813

    • 査読あり
  • [学会発表] ヒトコンデンシンヒンジドメインの結晶構造解析2010

    • 著者名/発表者名
      河原一樹
    • 学会等名
      第27回PFシンポジウム
    • 発表場所
      つくば国際会議場、つくば市、茨城
    • 年月日
      20100309-20100310
  • [学会発表] 4S-ヒドロキシプロリンを含むコラーゲンモデルペプチドの結晶構造解析2009

    • 著者名/発表者名
      元岡大祐
    • 学会等名
      日本結晶学会2009年年会
    • 発表場所
      関西学院大学、西ノ宮市、兵庫
    • 年月日
      20091205-20091206

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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