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2010 年度 実績報告書

TEMPO酸化によるセルロースミクロフィブリルの構造解析

研究課題

研究課題/領域番号 08J07136
研究機関東京大学

研究代表者

沖田 祐介  東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 特別研究員(DC1)

キーワードセルロース / ナノファイバー / Layer-by-Layer / コンポジット
研究概要

近年の環境意織の高まりにより、材料設計では常に環境への配慮を心がけなければならない。セルロースを基盤材料に選択することは、有力な手段の一つである。その中でもセルロースミクロフィブリルは高アスペクト比の高結晶ナノファイバーであり、ガラス繊維・アラミド繊維に匹敵する弾性率を持ち、その太さは由来により3~20nm程度と人造の物より遙かに細く、これを材料として利用する応用研究に注目が集まっている。当研究室でTEMPO触媒酸化によって天然セルロース繊維をミクロフィブリル単位で水に分散させる手法が新たに見出された。
セルロースナノファイバーは上記のように、有望な材料ではあるが、従来では水中にしか分散することが不可能であったため、その利用に制限があった。セルロースナノファイバー表面に存在するカルボキシル基の対イオンを調整し、有機溶媒との親和性を改善することに成功し、セルロースナノファイバーを汎用有機溶媒中へ分散させることが可能となった。この手段を用いることで他の素材と複合化ができる。
ミクロフィブリル構造解析では、酸化ミクロフィブリルの表面を選択的に剥離することが可能となった。この現象を利用することでミクロフィブリル表面のLayer-by-layer剥離手法を確立できた。この手法ではミクロフィブリルの太さを1nmごとに減少させることができ、これによって作成したサンプルを用いることでセルロース諸物性のミクロフィブリル太さ依存性を調べることができる。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (4件) 産業財産権 (1件) (うち外国 1件)

  • [雑誌論文] TEMPO-Oxidized Cellulose Nanofibrils Dispersed in Organic Solvents2011

    • 著者名/発表者名
      Yusuke Okita, Shuji Fujisawa, Tsuguyuki Saito, Akira Isogai
    • 雑誌名

      Biomacromolecules

      巻: 12 ページ: 518-522

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Entire Surface Oxidation of Various Cellulose Microfibrils by TEMPO-Mediated Oxidation2010

    • 著者名/発表者名
      Yusuke Okita, Tsuguyuki Saito, Akira Isogai
    • 雑誌名

      Biomacromolecules

      巻: 11 ページ: 1696-1700

    • 査読あり
  • [学会発表] TEMPO-oxidized cellulose nanofiber dispersed in organic solvent2010

    • 著者名/発表者名
      Yusuke Okita, Shuji Fujisawa, Tsuguyuki Saito, Akira Isogai
    • 学会等名
      2010 International Chemical Congress of Pacific Basin Societies
    • 発表場所
      ホノルル(アメリカ)
    • 年月日
      2010-12-15
  • [学会発表] TEMPO酸化ミクロフィブリルの有機溶媒分散と機構解析2010

    • 著者名/発表者名
      沖田祐介、藤澤秀次、齋藤継之、磯貝明
    • 学会等名
      セルロース学会
    • 発表場所
      徳島文理大学(香川)
    • 年月日
      2010-07-15
  • [学会発表] TEMPO酸化セルロースナノファイバーの表面構造解析2010

    • 著者名/発表者名
      沖田祐介、藤澤秀次、齋藤継之、磯貝明
    • 学会等名
      ナノファイバー学会
    • 発表場所
      東京工業大学(東京)
    • 年月日
      2010-06-29
  • [学会発表] TEMPOセルロースナノファイバーの有機溶媒分散手法と複合体化2010

    • 著者名/発表者名
      沖田祐介、藤澤秀次、齋藤継之、磯貝明
    • 学会等名
      繊維学会
    • 発表場所
      タワーホール船堀(東京)
    • 年月日
      2010-06-17
  • [産業財産権] セルロースナノファイバー分散液の製造方法、セルロースナノファイバー分散液、セルロースナノファイバー成形体、及びセルロースナノファイバー複合体2010

    • 発明者名
      磯貝明, 齋藤継之, 沖田祐介
    • 権利者名
      東京大学
    • 産業財産権番号
      出願番号PCT/JP2010/003461(公開番号WO2010-134357)
    • 出願年月日
      2010-05-24
    • 外国

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公開日: 2012-07-19  

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