電位依存性Ca^<2+>チャネルは神経突起伸長といった脳神経活動に必須な生理応答を引き起こすCa^<2+>流入経路である。そのため、Ca^<2+>チャネルの生理的役割を支える、Ca^<2+>チャネルの膜輸送や局在性への制御機構は重要であるが、未だ不明である。本研究では、神経成長円錐伸長に伴うCa^<2+>チャネルの新規膜輸送制御機構を分子レベルから明らかにすることを研究目的としている。具体的には、新規Ca^<2+>チャネル膜輸送制御タンパク質Caprin、Stathminの分子複合体が担うCa^<2+>チャネルへの生理的役割を明らかにする。平成20年度において、1.Caprinノックアウトマウスの作成、2.Caprin分子複合体結合によるCa^<2+>チャネル活性変化の電気生理学的解析、3.Nativeにおける電位依存性Ca^<2+>チャネルとCaprin分子複合体との相互作用確認、4.マウス海馬培養神経細胞を用いた分子複合体局在解析を行った。これらは、新規Ca^<2+>チャネル制御タンパク質CaprinがCa^<2+>チャネルへ及ぼす影響と生理的役割を理解する上で重要な知見となった。
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