研究概要 |
1.昨年度までに開発した、SNAP-tagが存在する空間に局在可能なCa^<2+>蛍光プローブBOCA-1-BG(Benzylguanine derivative of BODIPY-based calcium indicator)を用いて更なる検討を行った。 まず、精製したSNAP-tag蛋白を用いてその反応性を検討した結果、BOCA-1-BGとSNAP-tagは定量的に(1:1で)反応することを示した。さらに、SNAP-tagを細胞内の特定の部位(核や細胞質)に局所発現した細胞を用いることで局所的なCa^<2+>濃度変化を観察することに成功した(Analytical Chemisty 82,6472-6479(2010))。 2.昨年度に引き続きGeneva大学のMarcos Gonzalez教授らと共同し、SNAP-tagとその基質となる様々なbenzylguanine誘導体を用いて、ゼブラフィッシュにおける蛋白ラベル化法・細胞系譜追跡法の開発を行った(Developmental Dynamics 240,820-827(2011))。 3.Rhodolを母核蛍光団として、スピロ環の開環・閉環平衡を利用した新たなβ-galactosidase蛍光プローブを開発した。具体的には、酵素との反応前は主に閉環フォームで存在するため蛍光を発しないが、酵素との反応後には開環フォームで存在するため蛍光を発するといった特性を示すよう分子設計を行った。さらに、開発したプローブは既存のプローブよりも細胞内滞留性に優れ、高いS/N比でのライブセルイメージングが可能であることを示した。
|