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2010 年度 実績報告書

先見情報を利用した画像再構成理論の構築とPETへの適用

研究課題

研究課題/領域番号 08J08222
研究機関筑波大学

研究代表者

小林 哲哉  筑波大学, 大学院・システム情報工学研究科, 特別研究員(DC1)

キーワードPET / 画像再構成 / MAP推定 / 先見情報 / 計算機支援診断
研究概要

陽電子放射断層撮影法(PET)は,最尤推定に基づく統計的画像再構成法の導入により画質が改善したが,元々の測定データの統計誤差が大きいため,画質は依然として低い.本研究では,PET画像の大幅な品質改善を目的として,再構成対象である薬剤分布を,患者の正常時の画像(背景画像)と局所的病変の写った画像(スポット画像)の和により表現し,背景画像とスポット画像を別々に且つ同時に推定する,という革新的な概念を提案し,具体的な計算アルゴリズムを開発する.本年度は,提案手法の性能評価のために,コンピュータオブザーバと呼ばれる数値計算による観測者モデルを用いて,提案手法の病変検出性能を評価した.また,提案手法を臨床全身PETデータに適用し,実環境での動作を確認した.その結果,提案手法は,背景画像の滑らかさを決定する正則化パラメータの値を十分に大きな値とし,且つスポット画像の疎らさを決定する正則化パラメータを病変の誤検出・誤消失が過度に発生しないような値とすることで,従来手法と比較して病変検出能が高くなること,腫瘍のコントラストと検出能の両立性が高いことが分かった.また,臨床全身PETデータの再構成実験からは,提案手法のコントラスト対雑音特性が従来手法と比較して優れることが示され,また,異なる体軸断面に存在する複数の腫瘍(今回は肺腫瘍と腹部腫瘍)をスポット画像上に同時に検出でき,提案手法の目的である薬剤分布の正常部位と病変部位の分離再構成を概ね達成できた.ただし,脳や膀胱などの薬剤が生理的に多く集積する部位も誤って病変として検出されたため,そのような擬陽性部位の削減は今後の研究課題となる.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] コンピュータオブザーバを用いたAnatomical-MAP画像再構成法の病変検出能評価2010

    • 著者名/発表者名
      小林哲哉, 工藤博幸
    • 雑誌名

      MEDICAL IMAGING TECHNOLOGY

      巻: 28巻第4号 ページ: 214-222

    • 査読あり
  • [学会発表] 画像再構成と計算機支援診断の統合化手法の開発2010

    • 著者名/発表者名
      小林哲哉
    • 学会等名
      第50回日本核医学会学術総会
    • 発表場所
      大宮ソニックシティ(埼玉)
    • 年月日
      2010-11-11
  • [学会発表] 結合エントロピーを利用したAnatomical-MAP画像再構成に対する新しい最適化手法2010

    • 著者名/発表者名
      小林哲哉, 工藤博幸
    • 学会等名
      第29回日本医用画像工学会大会
    • 発表場所
      東海大学(神奈川)
    • 年月日
      2010-07-30
  • [学会発表] コンピュータオブザーバを用いたAnatomical-MAP画像再構成法の病変検出能評価2010

    • 著者名/発表者名
      小林哲哉, 工藤博幸
    • 学会等名
      第29回日本医用画像工学会大会
    • 発表場所
      東海大学(神奈川)
    • 年月日
      2010-07-30

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公開日: 2012-07-19  

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