研究課題
研究成果の公表として、(1)アンコールの交易圏に関する研究、(2)アンコールの王権思想に関する研究、(3)史料の解題(碑文・漢籍)について論文執筆および口頭発表を行なった。碑文と漢籍の検討を通じて、アンコールと外世界との繋がりとその歴史的展開。アンコール・ワットに代表される巨大石造寺院(経済のセンターとしても機能した)の建立を可能にした王権思想とそれにまつわる人々をみることで、流通等の経済インフラの整備を可能にした権力基盤を論じた。研究の基礎である碑文・漢籍双方の訳、解題。両史料の性格についても論じた。海外調査は、(1)インドネシア(ジャワ)、カンボジア調査(2008年8月11日〜9月15日)でボロブドゥルをはじめとしたジャワの遺跡、博物館を調査。ジャワ諸王朝の盛衰と、中部ジャワから東部ジャワへの変遷過程を実見した。またこれまでの調査の補足として、アンコール地域の遺跡を踏査した。(2)カンボジア、ベトナム調査(12月14日〜翌1月13日)では、カンボジアの北西の遺跡バンテアイ・チュマールなどの地方大寺院の踏査を行ない、また南部の水系に沿った遺跡を廻り、従来の研究であまり言及されてこなかったアンコール時代における南部の様子をみた。さらにボートでメコン川を下り、ベトナムに入国、主に船を利用して中部ベトナムまで水路に沿って調査、当時の流通に関して考察した。
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『科学研究費補助金基盤研究(A)研究成果報告書』(肥塚隆研究者代表) (印刷中)
カンボジアの文化復興 24(印刷中)
三島海雲記念財団研究報告書 45
ページ: 99-102
バンテアイ・ネアン碑文(オーギュスト・パヴィー著、北川香子訳『カンボジアおよびシャム王国踏査行』(CSEAS Bibliographical Series No. 4)所収)(京都大学東南アジア研究所)
ページ: 143-147