• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2008 年度 実績報告書

政治を捉える枠組みにおける政治的エリートと一般有権者との相違

研究課題

研究課題/領域番号 08J09575
研究機関東京大学
特別研究員 稲増 一憲  東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 特別研究員(DC2)
キーワード選挙研究 / テキストマイニング / 社会調査 / マスメディア研究 / 社会心理学 / 信念体系
研究概要

まず、インターネット調査における自由回答・新聞報道・電子化された国会答弁という3種類のテキストデータを用いて計量的な分析を行い、2007年参院選の争点において、一般有権者・マスメディア・政治家の3者が、それぞれ政治を捉える上での視点の違いを検討した。3者とも参院選の争点として「年金」に対する言及がもっとも多かったものの、「年金」という語と共起する単語には大きな違いが見られた。「日本年金機構」「国民・厚生年金」「番号」「時効」「五千万件」といった語が「年金」という語と共起し、年金制度や問題の詳細について議論する政治家、主要政党や「逆風」「訴える」といった語が共起し、政党や候補者同士の主張のぶつけ合いに注目するメディア、「支払う」「お金」「増税」「公務員」「天下り」といった語が共起し、年金制度そのものではなく、自らの負担に見合う政治行政がなされているかという観点から「年金」争点を捉える一般有権者といった違いが明らかになった。
選挙研究が変化の激しい現実の選挙状況に対応することと、実証データを用いて説得力のある分析を行うことを両立することは、大変難しい課題である。本研究は、テキストデータの多様な分析や、テキストデータと選択式回答を組み合わせた分析を用いることで、それに対する解決策として、ひとつの形を提示することができたと考えられる。
また、インターネットリサーチ会社の調査パネルに登録されている20〜69歳の男女24名に対して、一人一時間程度の深層面接を行った。幅広い年代、職業にある対象者が、政治や政策をどのように捉えているか、どのように政治と関わっているかを深層面接によって詳細に検討した研究は類例がなく、一般有権者が政治を捉える枠組みを明らかにする上で、有用な知見がもたらされることが期待できる。

研究成果

(5件)

すべて 2009 2008 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 多様化するテレビ報道と、有権者の選挙への関心および政治への関与との関連:選挙報道の内容分析と大規模社会調査の融合を通して2009

    • 著者名/発表者名
      稲増一憲
    • 雑誌名

      社会心理学研究 25巻(印刷中(掲載確定))

    • 査読あり
  • [雑誌論文] テキストデータから捉える2007年参院選2008

    • 著者名/発表者名
      稲増一憲
    • 雑誌名

      選挙研究 24巻

      ページ: 40-47

  • [学会発表] 水平的ネットワーク多様性が若年層の社会参加にもたらす効果の検討2008

    • 著者名/発表者名
      稲増一憲
    • 学会等名
      日本社会心理学会 第49回大会
    • 発表場所
      かごしま県民交流センター
    • 年月日
      2008-11-03
  • [学会発表] テキストデータから捉える2007年参院選-テキストデータ分析の有効性とその限界-2008

    • 著者名/発表者名
      稲増一憲
    • 学会等名
      日本選挙学会 2008年度研究会
    • 発表場所
      日本大学
    • 年月日
      2008-05-17
  • [備考]

    • URL

      http://www-socpsy.1.u-tokyo.ac.jp/inamasu/index.html

URL: 

公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi